クリスマスはキミといたい°コムドット ページ2
待ちに待ったクリスマス。コムドットのメンバーと過ごす訳だけど、何か楽しいことをしようとそれぞれ好きなコスプレをして集まることになった。
コートの下にサンタのコスプレを忍ばせたあたしは、クリスマスパーティーだと意気込んで用意した荷物を片手にインターホンのチャイムを押す。
「サンタさんが来たよー」
コスプレのネタバレもそこそこにカメラに顔を近づければ、チャイムの音が鳴り終わる前に誰かがインターホンに出る。
「開いてるから勝手に入ってきて」
ひゅうがの家なのに、スピーカーの奥からはゆうたの抑揚のない声が返ってきた。分かったと返事をしてマンションに入るあたしの足は軽やかだ。だってコスプレをして人の家でクリスマス会なんて人生で初めてなのだ。
ワクワクした気持ちで家の扉に手をかけ玄関に足を踏み入れた瞬間、パーン！！と大きな音が鼓膜を揺らしたかと思えば、視界に細かいキラキラとしたものが舞った。唐突に耳の奥を突き刺した物凄い音と、空中で散らばった紙吹雪のようなものに唖然とする。そんなあたしの目の前でクラッカーを持ってニヤニヤしているのはゆうまだ。
「それやめろって！マジで心臓止まるから！」
部屋の奥からやまとが怒鳴る声が聞こえた。怒り方のレベルを見ると、人が訪問するたびにゆうまがクラッカーを放っていると予測出来た。だがゆうまは気にしていない様子で散らばったクラッカーのゴミを拾うことなく、だからといってあたしの反応をたいして楽しむこともせず部屋に戻っていく。
ゆうまと知り合って間もなかった頃は目も合わせてくれなかったのに、こんな冗談までかましてくれるようになったのは距離が近づいた証でもある。
そんな自由気ままなゆうまのコスプレはグリーンカラーのツリーだ。コスプレもらしさが出てる。そしてこれは後々、動きにくいからと部屋の床に放置されることになる。
「あ、やっと来たね。Aが一番最後だよ」
リビングに入るなり、あたしを見て満面の笑みをしたあっちゃんがそう言って迎えてくれた。いつもは無機質な仕事部屋は誰がやったのか可愛らしいクリスマスの装飾が施されている。
「部屋の飾り付けめっちゃいいね」
「でしょ？俺とゆうまでやったんだよ」
グーサインを差し出したあっちゃんはボックスケーキの着ぐるみのコスプレで、こちらも動きにくそう。その隣に座るゆうたは雪だるまの形をした可愛らしいデザインのカチューシャを付けている。ゆうたいわく、Amazonで衣装を頼んだが当日に間に合わなかったのでこれになったらしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し85578号(プロフ) - どばししょうのお話好きすぎます（т-т）そもそも書く人が少ないのですごい嬉しいです（т-т） (4月21日 3時) (
レス) id: cb5a427560 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - りを。さん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです。としみつくんにはお話の中でギターを持たせがちな私ですが、音楽以外のお話も面白そうですよね…！色々考えてみます^ ^ また是非覗きにきてくださいね！ (2022年1月10日 1時) (レス) id: c0fa65fbb4 (このIDを非表示/違反報告)
りを。 - とっても面白いです♪ としみつのお話もっとみたいです！！ (2022年1月7日 18時) (レス) id: b34e0ddef0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：匿名
| 作成日時：2021年12月25日 23時
