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私は誰04 ページ9

「え?これしばゆーの声じゃない?」

「絶対違う。こんなに高くない、もっと低い」

よく分からない理由に、お前は動物かと思わず突っ込みそうになる。てつやは必死に頭を左右に振るけど、でもあたしにはしばゆーの声にしか聞こえない。しかも、それに混じってとしみつの声も聞こえる。

「絶対そうだって、としみつとしばゆーだよ」

あたしが何を言おうとてつやは未だ半信半疑に加えてパニック状態だ。彼のこんな状態に見慣れたのか、それとも疲れたのか、嘆声を漏らしたあたしは同意を求めるようにりょうの方を振り返る。

「りょうもそう思うよね」

後ろを見た。だがそこに彼は居ない。

「あれ、りょうは?どこ行った?」

てつやに聞いたが、怯えきった彼は知らないとしか言わない。

「もー、呆れた。しっかりしてよ…」

二人とも頼りにならないと溜息を吐いた時、森の反対側から人が飛び出て来た。それに今日イチの絶叫を上げたてつやが、漫画みたいにあたしに飛びつく。

「A!てつや!」

あたし達の名前を呼びながら姿を現したのは、片手に懐中電灯を持ったボサボサの金髪。それがどう見てもしばゆーだったので、飛びついてきたてつやの頭をあたしはペシーンと叩いた。

「もう、ほんとになんなの!」

てつやをお供につけたお陰で労力倍増。しばゆーの後を追うように、としみつや虫さん達もあたしの元に駆け寄ってきた。

「二人共大丈夫だった?」

最後に茂みの中から出てきたのはりょう。普通の顔で尋ねてきた彼に、あたしは思わず笑ってしまう。

「りょう!どこ行ってたの」

「え?」

「さっきまで一緒にいたのに急に消えたやん。ほんと脅かさないでよ……もしかして、ここまでが肝試しって事?」

だとしたらめっちゃ考えられてるね。そう言って笑ったあたしだけど、彼等の反応は違う。

「いや…どこも何も。俺らずっと一緒にいたし」

不思議そうに顔を見合わせたとしみつ達。

「………は?何言ってんの」

ふっと背中が冷たくなったあたし。それはてつやも同じで、理解が追いついていないような表情をしてる。だけどその事実を認めたくないあたしは、先程あったことを事細かに説明した。

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設定タグ:東海オンエア , YouTuber , ワタナベマホト   
作品ジャンル:恋愛
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匿名(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» リクエストありがとうございます!亀さんペースですが、ゆるゆる執筆中ですので気長にお待ち頂ければと思います。 (2019年8月13日 11時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - てつやさんのお話がもっと読みたいです!!!お時間がある時で全然大丈夫なので、ぜひともお願いします! (2019年7月31日 9時) (レス) id: 318cc8d8b4 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - あゆみさん» ご報告ありがとうございます。一応全文確認してみたのですが、どこでスルーしているのか確認出来ずです…。タイミングが有ればで良いので、どのお話かだけ教えて頂けると凄く助かります。よろしくお願い致します (´._.`) (2018年8月20日 17時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - らいさん» お返事遅くなりました。時間が空きながらの更新ですが、それでも楽しみにしてくれる方々にとても感謝しております。ご要望にお応えできるかは分かりませんが、なるべく優先して考えたいと思います^ ^ コメントありがとうございました! (2018年8月20日 17時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ - goziga aruyo----- (2018年8月19日 9時) (レス) id: a08ea1484b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:匿名 | 作成日時:2018年7月23日 0時

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