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恋色の傘02 ページ13

「てか相合傘したの小学校ぶり」

傘の内側を見上げ、ポツポツと落ちる雨粒を楽しそうに目で追う彼に尋ねる。

「ねぇ、どこまで一緒なの?」

「あ、嘘。中学の時もしたわ」

傘は標準サイズだし、相合傘とか言われたくないし、あたしの話聞かないし、クラスメイトにこんなところ見られたら「ほんといつも仲良いよな」とか言って笑われる。それだけは絶対絶対避けたい。あたしは通学路の途中にあるコンビニへ、ちらりと目をやった。

「あたしコンビニ寄りたいから、もう傘持ってっていいよ」

「え?じゃあ俺も行く」

躊躇(ためら)うことなくサラリとそう言った彼に気難しい顔をしたあたしだが、それにシルクが気付く訳もない。そうじゃ無いんだけどな、と思って俯いたあたしはコンビニの前を無言で通りスルーする。

「あれ、コンビニいいの?」

そう聞いてきたシルクの事もスルー。不思議そうにした彼だったが、何も言わずに付いてきた。しばらく黙って歩いていると、何かに気付いたようにシルクが「あ」と声をあげる。

(かばん)

「え?」

「Aの、濡れてる」

シルクがあたしの鞄を指差して言った。言われた通り鞄に目をやれば、雨に濡れたせいか半分だけ生地の色が変わってる。そりゃ、一人用の傘に二人入れば必然的にそうなるだろうと思っていれば、彼が傘をあたしの頭上に持ってくる。直ぐに大丈夫だからと押し返した。

「なに俺に気遣ってんの」

「遣ってないよ」

「濡れるからちゃんと入って」

「いい、平気だから」

「なんで?もっとこっち来いよ」

傘を持ち替えた彼はあたしの肩を抱いて自分の方に寄せた。トンと触れて跳ねたお互いの肩。体内の熱が足の先から頭の先まで一気に駆け上がった。雨の匂いに混じって、彼のものか、柔軟剤の香りがふんわりと鼻をくすぐる。

「…いい匂いする」

何を思ったのか、あたしはそれを口に出してしまう。ハッとして彼を見上げれば、あたしの肩から手を退けたシルクは無邪気そうな顔をして笑った。

恋色の傘03→←恋色の傘°Silk



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作品ジャンル:恋愛
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匿名(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» リクエストありがとうございます!亀さんペースですが、ゆるゆる執筆中ですので気長にお待ち頂ければと思います。 (2019年8月13日 11時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - てつやさんのお話がもっと読みたいです!!!お時間がある時で全然大丈夫なので、ぜひともお願いします! (2019年7月31日 9時) (レス) id: 318cc8d8b4 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - あゆみさん» ご報告ありがとうございます。一応全文確認してみたのですが、どこでスルーしているのか確認出来ずです…。タイミングが有ればで良いので、どのお話かだけ教えて頂けると凄く助かります。よろしくお願い致します (´._.`) (2018年8月20日 17時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - らいさん» お返事遅くなりました。時間が空きながらの更新ですが、それでも楽しみにしてくれる方々にとても感謝しております。ご要望にお応えできるかは分かりませんが、なるべく優先して考えたいと思います^ ^ コメントありがとうございました! (2018年8月20日 17時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ - goziga aruyo----- (2018年8月19日 9時) (レス) id: a08ea1484b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:匿名 | 作成日時:2018年7月23日 0時

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