32.愉快痛快不快 ページ32
「なんか最近元気ないね」
授業が終わり、昼休み開始のチャイムが校舎に鳴り響く。机の上で項垂れていたあたしの顔を覗いて友達がそう言った。ちらりと視線だけ上げたあたしは、そうなのと呟いてまた机に頭を埋める。少しばかり久しぶりの学校だったせいか、今になって疲労感が一気に押し寄せて来た。
「なんかあった?てか来てなかった時、連絡繋がらなかったけど何してたの」
「爆弾発言しちゃったの」
「爆弾?なんの話…?」
「大爆発を引きずってるからあんまり深く聞かないで……」
「そっか。お昼食べて元気だそう」
「…それいいね」
昨日から他人の家に居候してますとか口が裂けても言えない。しかも彼等は普通の人では無いようで、本当の本当に無茶苦茶な人達なのだ。あたしが上の階に居た頃でさえうるさかったのに、一緒の家に住むとなるともう騒音が工事現場レベル。飽きもせず常に騒ぐのであろう。あといつも不思議に思っているのが、彼等が仕事に行っている所を見た事が無いという事だ。学生では無いみたいだし、社会人らしく出勤する気配すら無いのにあの家に住める。ますます怪しい。ますます怖い。
「もしかして、元彼の事で悩んでんの?」
「いや、きっちり別れた」
「やばい奴だったんだよね」
「程よくやばかった」
「顔殴られたんでしょ?」
「そう。やばいよね」
"やばい"だけで話が成り立つそんなやり取りをしながら、財布を片手にあたし達は昼ご飯を買いに売店へ向かう。
早起きして作ったお弁当を持って来たと思っていたが、今朝はあまりにもドタバタして鞄に入れるのを忘れたらしい。勿体ないけど今日は諦めて売店で何か買うことにした。
廊下ですれ違う生徒達の殆どは、当たり前のようにあたしの事を知らない。あたしが昨晩何を言ってどんな状況に有るかなんて誰も知らなくて、お陰で学校に居ると昨日のふざけた出来事だって少しは薄れていく気がする。あたし達は肩をぶつけて笑い合い、お互いに足を揃えて階段を降りていった。
314人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「YouTuber」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
匿名(プロフ) - 湯豆腐さん» とても嬉しいコメントありがとうございます^ ^ なかなか試行錯誤しておりますが、私なりの彼等を楽しんで頂ければと思います。お話いっぱいになり移行しましたので、次も末永く応援頂けると嬉しいです! (2018年4月26日 21時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 花恋さん» お返事大変遅くなりました。時間が空きながらの更新ですが、それでも楽しみにしてくれる方々にとても感謝しております。またお話増えましたので、お時間ある時にでもちらりと覗いてみて下さい^ ^ お待ちしてます。 (2018年4月26日 21時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - なななさん» お返事大変遅くなり申し訳ないです。応援ありがとうございます!時間が出来また更新し始めたので、これからも気長に見守って頂ければ嬉しく思います^ ^ (2018年4月26日 21時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 夜星さん» お返事大変遅くなってしまいました。最近時間が出来たのでゆるゆると更新しております。暇な時にでも覗きに来ていただければ幸いです^ ^ (2018年4月26日 21時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐(プロフ) - 匿名さんがかくジンくんとマホトくんが一番好きです。匿名さんも大好きです。これからも応援してます! (2018年4月25日 19時) (レス) id: 65ae9a78b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:匿名 | 作成日時:2017年7月10日 7時