キミと恋に落ちるまで ... (ページ7)

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Episode … (6) ページ7

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手をあげられる率は少なめやったけど

感情のコントロールが出来なくなっている母は
一切、笑わんくなった。

私には幼馴染みがおるんやけど

明るい内は幼馴染みとずっと外で遊んどった。

たまに蹴られ叩かれたりして
出来た痣が隠れるように薄手の長袖など着てた

学校にもあまり行かへんくなった。

そんな私を心配して
幼馴染みは毎日のように家に来てくれた。

私は辛くても我慢出来てたんは
幼馴染みのお陰やったのかもしれない。

…… それと

我慢してれば、前のような優しい母が戻ってきてくれると

信じとったから。

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母は夜中になると魘されて起きることもあった。

そして、私の上に馬乗りになり首を絞め

『人殺し …… 』
『嫌や … 私の … あの人を殺したお前が憎い。』

と言った。

怖かった。

苦しかったが
少しすると落ち着くんか
スっと自分の布団へと戻って行った。

私はいつも時間が過ぎるのをただただ待った。

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そんなある日の夜。

物音がして目を覚ますと
母が啜り泣きながら誰かと電話をしている声が聞こえた。

その誰かが誰なんかは分からへんけど。

母の声はハッキリと聞こえた。

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『あの子のこと、嫌いなはずやないのに … 』

『お腹を痛めて産んだ我が子なのに …… 』

『顔を見ると、どうしても抑えが効かないの。』

『憎いと思ってしまうの。』

『このままじゃ …… あの子を殺してしまう。』

『どうしよう ………… うぅ、どうしよう ……… 』

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そう泣いて嘆く母の声が。

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私は母に殺されてしまうの …… ？

いや … 大好きな母にやったら
それでもええと思えた。

苦しい、この気持ちも
父への罪悪感も

それが少しでも母への罪滅ぼしになるんやったら
それでも構わへんと思った。

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そして、母は電話を切ると

私の眠る部屋に入って来た。

私はすぐ様布団に入り
寝たフリをした。

何故か母は私の頭を撫でた。

とても心地よかった。

せやけど、母は泣いていた。

私は薄目を開けると

母は泣きながら

『ごめんね。』

と呟き

… 笑ってくれた。

ぎこちない笑顔やったけど

このときの
母の笑った顔は今でも目に焼き付いとる。

母に頭を撫でられたまま
私は眠ってしまった。

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私はこの時の

母の限界だというサインに気付けなかった。