相方 ページ2
ふと、時間が気になって、時計を見た。
時刻は夜12時。
いつもならとっくに寝ているはずなのになあ。
なんで起きてるんだっけ…??
「ねえ…アベル…」
「ん?何?」
「なんでこんな時間に起こすの……寝かして。」
「えー……だって……」
語尾をごにょごにょ濁すアベルに、どうも腹が立って仕方ない。
でも、変に反抗したら、ややこしいことになるから、私はあえて何も言わないことにした。
机をとんとん叩きながら、もう一度聞く。
「で。なんでこんな時間に起こしたわけ?」
「ん、ちょっと待って。」
そう言ってアベルは、ノートパソコンとカメラを取り出した。
「ねえ……その機材ってまさか……」
少し間をおくと、アベルはさも嬉しそうに、にっと笑った。
「今から配信しよ!!」
「やっぱし………」
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時刻は1時を迎えた。
まだアベルは終わらせる気はないらしい。
視聴者が意外と来てるからなのだろうけど。
「……でも、よくみんなこんな時間におきてるよねー」
「いや……それはあれでしょ、このチャンネルの通知つけてるから……じゃないの?」
「あー、嬉しいねーそう言うの。」
こんな何気無い会話でも、視聴者は逃げずに見てくれるのだから、アベルの人気は本物なんだとつくづく思う。
「てかアベルさあ……チャンネル名いつのまにか変えてんじゃん…何これ?」
いつのまにか、チャンネル名に私の名前も加えられていた。
「いや、このチャンネルカップルチャンネルでしょ?」
「は?違うわ。失せろ。散れ。」
これは何の遠慮もなく発した言葉だ。
それでもアベルはにこにこ笑っていた。
つられて私も少し顔が緩む。
こんな日々が、私は何よりも大切にしたいと、心から思う。
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レンカ - ぎぃやーーー!続編がぎぃになぁるぅー! (2020年4月6日 21時) (レス) id: 470b98b264 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こうめ | 作成日時:2019年10月16日 19時