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元クラスメイトに言い包められられた俺は、海に来た。
俺の隣に居るのは、水着姿のAと、あとは知らねぇツインテールの女。
いや本当に、誰だよ……このツインテールは……
「**ちゃん、水着似合ってるねぇ!可愛い!」
「あ、ありがとう」
ツインテールは、Aに話しかけては、チラチラと俺の様子を伺ってくる。
Aに害を与えなければ、俺は何もしねぇよ。
俺は海で泳ぎたくないので、Aと荷物を見ておくことにした。
何故かツインテールが一緒に残ってるが。
泳げないわけではない。
ただ……前世で、任務中に鬼に海に引き摺り込まれて、海水で目がやられたのがちょっと……アレなだけだ。
別にトラウマとかではない。
目が開けれなくて、戦いどころじゃなかったから、任務の事を思い出したくないだけだ。
増援でAが駆けつけて、どうにかなったが……
思い出しただけで、腹が立ってきた。
既に殺した鬼相手に、だ。
海にキレてもどうにもならねぇし。
「***くんは、泳がないの?」
ツインテールが首を傾げて俺を見上げた。
俺は海で泳いでいる奴等を見て、顔を顰める。
もしかして、Aも泳ぎたいのだろうか?
プールには行くが、海水浴に来たのは初めてだ。
「Aは泳ぎたいか?」
「後で泳ぐから、今は荷物当番してるよ」
日焼け止めのスプレー缶を振りながら、Aはそう答えた。
泳ぐらしい。
Aの浮き輪を海の家でレンタルするか……
「背中、届かねぇだろ。貸せ」
「あ、お願い」
Aから日焼け止めのスプレー缶を受け取る。
俺が選んだ水着だが、露出が多くないか?気のせいか?
ビキニじゃないし、大丈夫だろうと思ってたが……
背中に軽くスプレーをして、Aにパーカーを渡す。
「持っとけと?」
Aはパーカーと俺を交互に見た。
「着とけ」
「え?あ、わかった」
素直にパーカーを羽織るA。
やっぱり、俺のだとサイズが合わないな。
Aが着るには、パーカーが少し大きい。
ファスナーを上まで閉めた。
「よし」
「いや、良くないよ。隠れたよ。折角、心菜ちゃんが褒めてくれたのに」
満足して頷く俺とは裏腹に、Aは気にくわない様だ。
ここなって誰だよ……と、一瞬思ったが、もしかしてツインテールの事か?
と、ツインテールの方を見る。
ツインテールは俺と目が合うと、ニコッと笑顔になった。
お前、さっきまでAを睨んでただろ。
気付いてないとでも思ってんのか?
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作者名:そうや | 作成日時:2020年9月27日 15時