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翌日の放課後、Aは本当に友達とカラオケに行った。
しかし、一時間程経った頃、Aから迎えに来て欲しいという内容のメールが来た。
何処のカラオケ店に行くのかはあらかじめ聞いてたので、急いでAの居るカラオケ店へ向かった。
「何処だよ……」
カラオケ店に着いたが、Aは見当たらなかった。
まだ店内か？
てっきり、店の外に出てるかと思ったが……
店の中に入り、カウンターに行って、店員に椚ヶ丘の制服を来た女子が来てないか訊ねる。
「妹から迎えに来て欲しいって連絡がきたんですけど、妹が見当たらなくて……」
困った様に眉を下げれば、店員はAの居るであろう部屋まで案内してくれた。
店員がドアをノックする。
電話で対応するんじゃないのか。
俺的には、こっちの方がありがたいが……
「済みません、ご家族の方がお迎えに来たのですが……」
部屋の中から聞こえてた騒がしい声が、ピタリと止まった。
そして、部屋のドアが静かに開く。
昨日、Aに告白してた先輩が、そこに居た。
「……何でお前が此処に居るんだ？」
先輩はあからさまに不機嫌そうだった。
俺は先輩の背後に視線を移す。
Aが、ソファーの端で自分の鞄を抱きかかえ、縮こまって座っていた。
「おい、帰るぞ」
Aに声をかけると、Aは顔をあげて立ち上がった。
Aはすぐに俺の元に来る。
「ごめんね」
申し訳なさそうに軽く頭を下げるA。
迎えに関しては、別に気にしてない。
「済みません、ありがとうございました」
俺は店員にお礼を言う。
「いいえ、お気になさらず。一人分で会計をしましょうか？」
「はい、お願いします」
Aは俺の腕を掴んで、店員の後をついて行く。
後ろで先輩が舌打ちしてたが、無視だ。
料金を払ったAとカラオケ店から出て、家に帰る。
「なんでアイツが居たんだ？」
一番気になってた事を、Aに聞いた。
他にも男が居たし……
カラオケに行くメンバーを聞いておくんだった。
男が居たら、カラオケに絶対に行かせなかったのに……
「アイツ？」
首を傾げるA。
俺は顔を顰めた。
「昨日、お前に告白してた三年の先輩」
「あぁ、あの人……」
Aはモゴモゴと状況を説明し始めた。
「最初は、友達と歌う予定だったんだけど、カウンターで会って……流れで、一緒の部屋で歌う事になって……」
流れ、ねぇ……
目を細める俺を見て、Aは目を逸らした。
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作者名：そうや | 作成日時：2020年9月27日 15時
