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「＊＊＊くんは、ずっと家にいるのに体がしっかりしていますねぇ」
「触るんじゃねぇ、気持ち悪りぃ」
「先生は気持ち悪くありません！確かに殺したくなる程親しみやすいですけれど！！」
親しみやすいと殺したくなるとか、どんな異常者だよ。
人外が俺の腕に自身の腕を絡めた。
気持ち悪りぃ……！
「では、まずは鬼の伝承の残る地域から行ってみましょう！」
「は？！ちょっ、まっ……」
やめろ！！
そう言う前に、人外がカーテンを開けた。
「にゅやッ？！雨戸！？台風でもないのに？！」
「待て。開けるな！！」
「ダメですよ！日光を浴びないと。体内時計が狂ってしまいます」
人外が窓を開け、雨戸も開けやがった。
「がっ……！？」
身体中が、燃えるように熱い。
実際、燃えている。
喉が焼けて、声すら出ない。
もがくが、人外の腕から逃げられない。
死ぬ。
やだ。
死ぬのは、嫌だ……
血と、肉の焦げ臭い匂いが、部屋中に広がっていく。
口から涎が出て、目からは涙が出る。
右腕が日光で完全に焼き消え、人外から離れられた。
人外と男は、ひどく驚いていた。
咳き込むと、口の中に血の味が広がる。
俺の血ではない、他の血の匂いもした。
そうだ、Aの血だ！！
顔を上げる。
眼球も燃えてしまっているから、殆ど視界が遮られていた。
何故か、人外からもAと同じ血の匂いがした。
人外は俺の爪が当たったのだろう。
腕に傷ができていた。
俺は燃えているAを引きずり、日の届かない、部屋の端に移動する。
喉から、ヒューヒューと、空気が出て行く。
抑えろ。
抑えろ。
ズキズキと痛む腕は、なかなか血が止まらない。
Aは体の半分が焼けている。
服に血が滲んでいるので、Aも回復に時間がかかっているのだろう。
「何があったの？！」
飲み物を持ってきた母親が、俺達を見て顔面蒼白になった。
母親は飲み物の入っていたグラスを床に落としてしまったが、そんな事を気にも止めず、Aを抱きしめている俺を抱きしめた。
「大丈夫？！酷い怪我！ど、どうしましょう？！」
俺はAを自分の方に寄りかからせ、なくなってない方の腕で母親を引き剥がす。
血がついたが、許してほしい。
声を出そうとしたが、空気が出ただけで、音すら出なかった。
仕方がないので、血文字で伝えた。
ダイイングメッセージみたいになってしまったが、母親には伝わったらしい。
雨戸を閉めてくれた。
俺はホッと胸をなでおろす。
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作者名：そうや | 作成日時：2020年9月27日 15時
