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殺せんせーとやらは俺よりも強いのだろう。
ただ、恐怖も何も感じない。
俺を殺す気もないようだ。
「あぁっ！明らかに教師を見る目じゃない！！っていうかカラコンも入れてる！！？」
教師……
コイツが……？
「済まない、いきなり部屋に入ってしまって」
男が、俺と人外の間に割って入った。
「俺は烏間。E組の担任をしている」
あぁ、アンタが＿＿＿
「違います！担任は私です」
人外が、「私が教師」と書かれたタスキをいつの間にかつけている。
どっちだよ。
っていうか、おい理事長、何で人外雇ったんだよ。
「ま、立ち話も何ですので、座って下さい」
人外が勝手に床に正座した。
此処、Aの部屋だぞ。
お前の部屋じゃねぇぞ。
俺はベッドの近くに座る。
烏間とかいう男も、床に座った。
人外が、うねうねとした動きをしながら話し始める。
「どうやら君は、去年の夏から不登校だと」
関節があやふやなので、コイツはタコなのかもしれない。
「学校は嫌いですか？」
どうでもいい。
Aと一緒に行く学校は、それなりに楽しかった。
成績が良ければ皆俺を見るし、それプラスで運動もできていたので、一目置かれていた。
「あの〜何か言ってくれませんか？先生、超能力者じゃないので、人の考えている事は解らないんですよ」
お前と話す事なんてない。
俺が何も言わないので、人外はソワソワしだした。
「＊＊＊くんは、鬼が好きなんですか？」
梅雨時期に買った、鬼についての本。
俺の調べたい鬼については一切載ってなかった。
鬼？
好きなわけないだろ。
鬼がいなけりゃあ、俺がカスに殺される事なんてなかったんだ。
人外が、鬼の本を手にとった。
「ほほぅ……鬼の伝承は色々ありますからね。神隠しの原因は、鬼に食われた事が原因だとか」
「知っているのか？」
俺が顔を上げると、人外は目をぱちくりとさせた。
「鬼について、ですか？まぁ、調べてはいますよ」
「人を食う鬼の特徴は？体を再生させるとか」
知ってるなら、教えろ。
人外は、気持ち悪い笑みを浮かべた。
「では、先生と一緒に調べましょう。＊＊＊くんの自由研究です」
「おい、お前が知ってる事を教えろ。何か、手がかりがあるかもしれねぇだろ」
「手がかり？」
首をかしげる烏間。
チッ、口が滑った……
「いいじゃないですか。理由はどうあれ。興味があるものは、とことん調べた方が良いですよ！」
人外は、俺の肩を揉んだ。
触るな。
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作者名：そうや | 作成日時：2020年9月27日 15時
