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俺の思いは通じず、元クラスメイトはAに話しかけている。
「＊＊ちゃんってブルーハワイ好きなの？」
せめてこっちのツインテールに話しかけろよ。
できるだけツインテールを視界に入れない様にする。
今日初めて会った奴にベタベタされても、嬉しくない。
「っていうか＊＊＊。お前なんで女子に挟まれてんの？オセロ？女の子に挟まれたら＊＊＊も女の子になっちゃうパターン？」
「何言ってんだお前」
「うっわぁ、絶対人に向ける目じゃねぇよコレ。ほら＊＊ちゃん、見てみ？」
Aが俺の顔を見る前に、いつもの表情に戻す。
元クラスメイトは顔を顰めた。
「ウヘェ、何でコイツってモテんの〜？ねぇ、多川〜」
「んへっ！？！なっ、何？！」
急に声をかけられて驚くツインテール。
ツインテールの意識が、俺からも元クラスメイトへ向いた。
俺はストローで掬ったイチゴ味の氷をAの口元に運ぶ。
「口開けろ」
「あー」
素直に口を開けるAは、その氷を食べた。
「そりゃあ、確かに＊＊＊は成績良いし、運動神経も良いし〜？」
「う、うん。そうだね！かっこいいし」
元クラスメイトとツインテールが俺を褒めている。
褒めても何も出ねぇよ。
出るとしたら、精々二酸化炭素くらいだ。
Aにブルーハワイのかき氷を一口もらう。
「そう言えばお前、さっき何を言おうとしてたんだ？」
「え？」
俺の質問に、Aはキョトンとした。
「何って？」
「ツインテールの奴が、戻って来る前に」
「……あぁ、えっと……」
Aは目を伏せた。
「夢、見たの」
夢？
「＊＊＊に、殺される夢」
「……」
俺は絶句した。
ただの夢だと、笑ってやることが出来なかった。
コイツが前世で、いつの間にか俺の隣から消えていた。
理由は知らない。
俺が、殺した？
いや、違う。
だって、俺は＿＿＿
「おい、＊＊＊。顔色悪いぞ。大丈夫か？」
俺の顔を覗き込む元クラスメイトの声で、ハッと我に返る。
「……大丈夫だ」
「そうか？何かあったらすぐ言うんだぞ？」
「あぁ……」
軽く返事をして、残り少なくなったかき氷を食べた。
ゴミを袋に入れて、立ち上がる。
「A、泳ぐんだろ？浮き輪借りて来る」
「私も一緒に行く」
Aはシロップと氷だったものが解けて混ざった液体を飲むと、ゴミを袋に入れて、俺の隣に来た。
殺された夢を、ただの夢だと思えない俺は、Aの顔が見れなかった。
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作者名：そうや | 作成日時：2020年9月27日 15時
