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翌日、桑島さんから最終選別について色々聞いた。
試験の内容とか、選別が行われる日にちとか、持って行く物とか……
さらっと「選別で死ぬ時がある」とか言われたが、そんな重大事項は一番初めに教えて欲しかった。


「不安なのか?」


桑島さんが誰か宛の手紙を書きながら、そう訊ねた。

不安?
そりゃあ、最悪死ぬらしいし……


「まぁ……はい。不安よりも、緊張の方が勝ってるんですが」


私は先程桑島さんから借りた刀を、じっと見つめる。
手汗がすごい。
今から緊張しているのだから、選別当日は頭が真っ白になっているのだろう。


「心配せんでもいい!Aは強い!」

「雷が薄いって言われたんですが」


ボルトみたいに、螺旋丸が途中で目視出来なくなるのと違って、私の場合は最初から見えないのだ。
他の人との連携が難しい。
広範囲斬撃なら、尚更だ。
巻き込んでしまう。

あからさまに落ち込む私の頭を、桑島さんが優しく撫でた。


「Aは儂の自慢の弟子じゃ」

「はい、ありがとうございます。選別、必ず生き残ります」


選別、明後日だけど!!

本当にギリギリで、桑島さんからの選別へ行く許可を貰ったのだ。

もうちょっと早めに許可を貰いたかったなぁ……
私が全部の型を使える様になるまで、待っていたんだろうけど……
そう考えると、勾玉野郎に申し訳が立たない。


「先生」


勾玉野郎が襖を開けた。
桑島さんは私から手を退け、勾玉野郎の方へ顔を向ける。
勾玉野郎は顔を顰めたが、すぐにいつもの顔に戻った。
私は立ち上がると、刀を持って部屋を出た。

落ち着かないので、いつもの様に鍛錬をしよう。

草履を履いて外に出る。

走って、山を登って降りて、素振りをして。
型を六つ全て、一通りやってみる。
どう頑張っても、雷のエフェクトは見えなかった。

出来ないのなら仕方ない。
無い物ねだりをしても意味がない。
もう、開き直るしかないのだ。

しかし、頭にすぐ浮かんでしまうのは、たらればばかり。

勾玉野郎が、羨ましい。
あんな風に、なりたかった。


「おい、何してんだ」


背後から、ぶっきらぼうな声が聞こえた。
背後を見れば、勾玉野郎が立っている。


「……お前みたいに、カッコイイ技を使いたかったな〜って……」

「変なもんでも食ったか?」


訝しげな勾玉野郎。


「昨日から変だぞ」

「死ぬかもしれないじゃん」

「お前、入院してた時は死にたがってただろ」


あの時は、精神的に追い詰められてたの!!

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設定タグ:鬼滅の刃 , 転生トリップ , 獪岳   
作品ジャンル:ラブコメ
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作者名:そうや | 作成日時:2020年8月14日 10時

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