まともな私は米花町専属の呪術師

４８.命を懸ける者 ページ49

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背中に回った短い腕。



腕の中にある、小さな3つの温もり。



大人相手では感じることが出来ない、子供だけが与えられる温もり。




心も体も、じんわりと温かくなって、目の奥がじわじわと熱くなる。



だけどそれをグッと堪えて、3人に笑顔を向けた。




「みんな、ありがとう。私の名前を呼んでくれて。」




私の言葉に、3人は元気よく頷いてくれた。




「これからもいーっぱいお名前呼ぶからね！」



「もう腹減って死にそうだぜ、名前姉ちゃん！早く博士ん家戻ってカレー食おうぜ！」



「チーズのトッピング、沢山作ったんですよ！他にも、隠し味のリンゴと〜…」




さっきまであんな事があったのに、それを微塵も感じさせない子供たち。




子供の真っ白な心が、名前の心を溶かした。




4人の様子を見つめる、コナン、灰原、沖矢、博士もまた、そんな微笑ましい様子に、心が温かくなった。




「私たちも行きましょ。」



「あ、おめー先に行っといてくれ。俺、昴さんに用あっから。」



「…そ。」




灰原はワイワイとはしゃぐ4人の後を追った。



一方、コナンは沖矢…ではなく、FBI捜査官の赤井秀一に小声で話しかける。



赤井はコナンと同じ目線にしゃがみ込んだ。




「博士ん家で話したさっきの彼女との会話、ちゃんと聞こえた？」



「あぁ。」



「…赤井さんは検討ついた？彼女の正体。」



「…いや、全く。だが彼女も、我々と同じく命を懸けた仕事をしているのは分かったよ。」



「でも…」



「そう、坊やの思っている通り、彼女からはヤツら(黒の組織)の気配を全く感じなかった。それに、彼女は未成年の様だからな。酒にも詳しくなかった。」



「それは僕もビックリしたよ…」




「だが、とても興味深いな。未成年、酒も飲めない子供が命を懸けるとは…。同じく命を懸ける者として、調べる価値は十分にありそうだ。」




赤井もまた、黒の組織撲滅のために命を懸ける者。



名前がどんな職業であれ、興味が湧くのは必然だろう。




「そうだね。僕も調べてみるよ。」



「あぁ、よろしく頼む。」




2人は出会って間もないにも関わらず、とても厚い信頼関係が築き上げられていた。




その後、名前と少年探偵団、博士、そして沖矢のカレーパーティーは大盛り上がり！



元太の大食いっぷりに目を剥いた名前であった。



最後には記念写真も撮り、8人にとって最高の思い出となった。





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