まともな私は米花町専属の呪術師

３１.非術師 ページ32

٭





ふと、隣の女子高生の会話が耳に入った。




「コナン君たち、大丈夫なのか？」



「怪我はなかったけど、体育館の天井まである化け物がいたって言うの。家までコナン君を送ってくれた、スーツを着た人は、あれは呪いって言い残して帰っちゃったし…。」




…え？この子たち、コナン君のこと知ってるの？



゛家までコナン君を送ってくれた ゛？



え…どういうこと？あの黒髪ロングの子、一緒に住んでるの？コナン君のお姉ちゃん？



私は更に耳を研ぎ澄ませ、女子高生の会話をじっくり聞くことにした。




「あのガキンチョ共、事件に遭遇しすぎて、その呪いってのに取り憑かれちゃったんじゃないの？ていうか、呪いって何よ？」



「私も分からないの。呪いが何なのか、その人に聞いてみたんだけど、呪いは呪いです、の一点張りで…。」




ま、そりゃそうだよね。



非術師から漏出した呪力が蓄積され、あんな化け物が生まれるなんて言ったところで、見えないから都市伝説にされるだけ。



都市伝説として、今でも人間の心に深く残っているもの。例えば、口裂け女、トイレの花子さん。これらは特に有名で、恐らく、これから先も語り継がれていく。



そして、それらは人間に恐れられ、負の感情が漏出し、どんどん蓄積され、仮想怨霊となり、我々を襲う。



それに、呪いを信じたとしても、呪いに対する恐怖、負の感情が漏出し、それが蓄積されて、呪いを生むという悪循環が生まれてしまう。




貴方たち非術師は、ただ私たち呪術師に守られてればいいの。呪いとは無縁の生活を、私たちが守るから。




「ご注文はお決まりですか？」



「…えっ？あ、はい！ハムサンドとウーロン茶で！」



「かしこまりました。」




びっっくりしたー…！そして今度はイケメン店員さん！



…でも、前来た時みたいな怖い雰囲気、今日はなかった。あの時は怒ってたのかな？



うーん、と考え込んでいると、料理が到着した。




まぁ、考え事はいいや！今は目の前に広がるご馳走に集中！




やっぱり美味しい…！毎日でも食べたいこれ…！！高専のみんなにも紹介しよ！メニューはあとどんなのが……



えぇ、ここ半熟ケーキもあるの！？美味しそう…美味しそうすぎる！追加注文しちゃおうかな…？




…いや違う！今は目の前のハムサンドに集中！！





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