まともな私は米花町専属の呪術師

１４.過去 ページ15

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私には、たった1人の同期がいた。




同期 。私の同期。




五条さんにスカウトされ、1人で上京した私にとって、とても心強い存在だった。



私と同じく二級呪術師として入学して、同じ時期に一級呪術師になった。



また、彼女も私と同じく呪具使いだったから、よく手合わせをした。強さは互角だった。たまに2人で五条さんに手合わせをお願いして、2人で負けてたなぁ。




私と同期は二人でひとつ、一心同体みたいな感じだった。




一級呪術師になった私たちは、呪霊の数が増えるにつれ、単独任務も多くなる。



3年のある冬の日、私は非番で、同期は任務に出ていた。



神妙な面持ちで私の部屋に来た五条さんに、背筋が凍るような嫌な感覚がしたのは今でも憶えてる。




一級任務のはずだったのに、予定外の特級呪霊の出現。同期は激闘の末、死亡。




医務室のベッドに置かれている同期の遺体。顔は、苦しさで溢れているように感じた。




゛呪術師に悔いのない死などない ゛




入学するための面接で、夜蛾学長に言われたこの言葉。それが今、目の前で起きている。



肝に銘じたつもりだった。でも、その事実を私は到底受け入れることができず、私の心の半分が根こそぎ奪われたような感じだった。



でも、どれだけ辛くても、私情で任務を放棄することはできない。その日の任務は五条さんが引き受けてくれたけど、次の日からは、半分欠けた心で、精神的にボロボロになりながら、いつも通り任務をこなした。



でも、私の心の半分を埋めるように、五条さんや七海さんが私のメンタルケアをしてくれた。特に七海さんは、私を特別気にかけてくれた。



そして、色んな人達と関わりを持つことで、私が失った半分の心を、少しずつ埋めていくことが出来たんだ。




でもね、ほとんど埋まったけど、まだ埋まってないの。



心の片隅に、小さく残った窪み。まだ埋まっていないから窪んでる。



どうすればこの窪みを無くせるのか。いっぱい考えた。そして戦った。考えて…戦って…考えて…戦って…結果、特級呪霊を倒せばこの窪みは消えると確信した。



同期の仇。特級といっても、同期を殺したヤツじゃない。でも、この窪みは、特級に勝たなきゃ埋まらないって確信した。



だから私は、一級で満足しちゃダメ。特級に勝たなきゃ。





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