目を覚まして ページ30
【夢主目線】
────ん………ｯ……。
背中に掛かる外套をぎゅっと握ればあの人の匂いがした。
目が覚めたら自室に居た……なんてことは唯の甘えで、有り得なかった。
起きて直ぐ、不意に夢野君の事が頭を過る。
そう思い隣の監獄を覗いて見た。
…………あれ？
此の監獄は言うまでもなく地下に設けられているので日光は差し込まない。
なので今が朝か昼間かはたまた夜なのか。
それさえも分からなかった。
「……もしかして、また驚かそうとしてるー？さ、流石に耐性ついたからねー！」
私は二度と驚かされるまいと思って態と声を張って其の暗闇に叫んだ。
しかし、其れに対する返答が返ってくる事はなかった。
「…………まだ…寝てるの？」
しんと静まり返った地下牢は気味の悪い位に静かで昨日まであった人の気配は感じられなかった。
「……ねぇ………ん？」
昨日、人形が置いてあった場所と同じ所に紙切れが置いてあった。
(……まさか。また同じ方法で驚かそうと……？)
此処は親しくなった証に一つ騙された振りをしてやってもいいだろう。
そう思って私は何食わぬ顔で其の紙切れに手を伸ばした。
しかし、何時になっても夢野君は驚かしに来なかった。
其の紙切れを難なく手に取って仕舞うと私は其の紙に文字が書かれているのを見つけた。
[僕はここをおい出されたのでもう会うことはないかもしれないけど、友達が出来たみたいでうれしかった。ほんとうにありがとう。]
“ここをおい出された”だって……？
今までずっと此処に閉じ込めていたのにどうして突如解放したのだろうか？
もしかして…外の三者鼎立の件で夢野君が駆り出されたのか？
私は紙切れを握った儘、出来るだけ大きな声を出して扉の外に居るであろう看守を呼んだ。
「あの！！看守さん！！」
変に静かだった。物音一つしない。
正に無音の空間である。
─────まるで組織に誰も居ない様だった。
と思った瞬間、緊急の組織内放送が流れた。
首領[──うちの大事な秘密兵器君が横浜全域にて暴走の後、其の凄まじい猛威を奮っている。伴って足がある者、手が動く者は各自、商売地を死守せよ。以上だ。なお、これに背く者は───。]
“秘密兵器君”それってもしかして夢野君なの……？
人を最終兵器君だなんて…唯の暴虐の権化だとしか思っていないじゃないか…。
何とかして外の様子を知りたい。そんな思いも虚しく時間は過ぎていった。
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葵(プロフ) - 飽き性さん» ご丁寧なご指摘ありがとうございます(/Д`;応援ありがとうございます(^^♪頑張ります！ (2018年8月1日 13時) (
レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
飽き性(プロフ) - 本編の方で福沢が福澤になってますよ。この小説大好きです！通知来る度うきうきしてます！無理せずこれからも更新頑張って下さい！ (2018年7月31日 2時) (レス) id: 7dd1ea514d (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 雪奏さん» お気に召して頂けた様で大変嬉しく思います(^^♪どうか最後までお付き合い下さい(^ ^) (2018年7月25日 19時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
雪奏 - すごく面白いです！応援してます！壁|ｮ･ω･｀o)ｶﾞﾝﾊﾞｯﾃｯ♪ (2018年7月22日 22時) (レス) id: edf769ece4 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - #祭鼓*@harigaya mako*さん» 応援のコメント大変嬉しく思います！最近仕事の方が激務を増して今して忙しいので更新が滞っていますがどうか最後まで読んで頂ければと思っております(^ ^) (2018年6月18日 23時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎそーまっち | 作成日時：2018年6月9日 18時
