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[悪魔の舘] 外伝 其ノ壱 ページ16

【中也目線】


さっき連絡を受けた時は正直、不意を突かれたと思った。


この間の研究室爆破事件の犯人は梶井じゃないと確信した。普段一緒に居る研究員達まで騙す程の変装の匠の仕業だ。




それは“梶井の変装をしていた”というよりかは、


“梶井の皮を被っていた”という表現に近い。




しかも先程のAに対する仕打ち。どう見てもあれは俺を混乱してあの場に留まらせる為の罠。


梶井の生存率を下げる為に此事件の黒幕が仕掛けたに違い無い。

Aが其の為に利用されたと思うと余計に腹が立ってしょうがなかった。


俺は西陽に顔を照らされながら梶井が捕らわれている空き家へと走った。








━━━ガチャ。



「おい!梶井!!」


俺は叫んだ。




………ポタ……ポタ…ポタ




風呂場の方から水の垂れる音が聞こえた。

それと同時に僅かな柑橘の匂いが鼻腔を擽った。





俺は風呂場に走った。



そこで俺が見たものは、変わり果てた梶井の姿。







見ると鼻の穴の直ぐ下まで水位が迫っていた。


上には人の頭部の大きさの氷の塊。そこから水が一滴二滴と垂れて着実に水嵩を増す素となっていた。


良く見ると水に浸かった梶井の青く変色した唇から微量に泡が出ていた。


そして鼻の穴の下の水面も其の僅かな鼻息で水面を揺らしていた。







生きている。俺はそう確信した。





【異能力・汚れつちまつた悲しみに】









ザブンッ────




俺の異能力で梶井の体が起き上がった。



梶井の手や足の皮膚は長時間水に浸かっていたからであろうふやけて人間の皮膚には到底見えなかった。


梶井は尚、ぐったりとして意識が無かった。




俺はそこで初めて此奴の手に触れた。



冷たかった。死人の様に。其の温度は此奴の生命がもう長くない事を示していた。






俺は今まで沢山の人間を殺してきた。沢山の部下や仲間の死を見てきた。


勿論、殺す事に多少の罪悪感は有った。殺される事に憤りや悲しみ、悔しさを感じなかった訳では無い。




だが此奴が死ぬのは普段以上の憤りを感じるだろう。



其れは俺を治療してくれた恩人だからっていうだけじゃなかった。俺が黒幕の思い通りにAに気を取られている間に此奴が殺される事が許せなかった。


許せないのは自分の愚人さだ。




俺は梶井に自分の外套をかけた。




「さみぃか?だったら此処をサウナにしてやるよ。」




俺は再び自らの異能を発動させた。

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(プロフ) - 零奈さん» 気付いてくれてありがとうございます!変換ミスです…。また何かありましたらよろしくお願いします。 (2018年5月13日 7時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
零奈 - 責任転嫁、で「立花」くんがいるんですけど、「立原」くんじゃないんですか? (2018年5月12日 22時) (レス) id: 92c720ec2f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 鈴里風夢さん» ありがとうございます!ご指摘嬉しく思います<(_ _)>また何かありましたら遠慮なく教えて下さい(**) (2018年5月2日 17時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 祭鼓@harigaya makoさん» コメントありがとうございます(^^)はい!更新頑張ります!今後ともどうぞ宜しくお願い致します(T^T) (2018年5月2日 17時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
鈴里風夢(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新頑張って下さい!!あ、序章の方に第二章へリンク出来るようにURLを載せた方がいいかもしれません…余計な口出しでしたらすみません! (2018年5月2日 0時) (レス) id: 1e78f4766c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えりんぎそーまっち | 作成日時:2018年5月1日 23時

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