【文スト】選んで生まれた訳じゃない[第二章]

不幸な愛情 ページ2

【夢主目線】



夢を見た。残酷な夢だ。

自分は見知らぬ家に居る。古い家だ。




私はその家の中に入る。




すると其の家の床一面に血の海が広がっている。




自分は唯ひたすら泣いているのだ。




「もうやめて。やめてよ。」

何て悲痛な叫びを上げながら。









其の夢が妙に鮮明で私は朝から相当な吐き気に襲われていた。





広津幹部には体調不良の為休むとだけ言った。








何だろう。今日は何処か体が悪い訳では無いのに変に気分が沈んでいた。



それとなく小窓から見える雲も低く部屋に暗い影を落としている。






昨日のあの謎のファイル。


中原幹部が去った後、もう一度見ようとした時には何故かあのUSBメモリは消えていた。


私が中原幹部に驚いた時に落としたのだろうかと考えてあの後探しに探したのだが見付からず…。





あの「ソーニャ･ドストエフスキー」とは誰の名前なのか。



「ドストエフスキー…」

まさかあれが私の本名なのか？



ソーニャ？無情にも全く心当たりが無い。






そしてあのマーク。あれは間違いなく【死の家の鼠】のシンボルマークである。





そしてあの言葉。




【偽善者は誰だ？】





ひたすら謎が謎を呼ぶ展開だ。それは終わりのないパラドックスの様な…。






自分が怖かった。


自分は一体何者なのか？


もしかしたら自分は極普通の一般家庭で生まれ育ったのにも関わらずとんだ法螺話を吹き込まれた哀れな子供なのではないか？


それともこれは自分の創り出した空想に過ぎない？



馬鹿みたいな考えから現実味に溢れた考えまで。




私の頭を悩ませ続けた。








ーｼｭﾊﾟﾝｯｯ!


耳元で風を切る素早いスピードで何かが横切った。





私は驚いて後ろを振り返った。









「トランプに……花？」


壁に青い花がトランプで打ち付けられている。



トランプの裏側には何か文字が書いてあった。



私はそれを壁から抜き取り読んだ。




【←ルリジサの花言葉･不幸な愛情】



そしてその下にはまだ文章があった。



【汝の記憶を辿り汝の惨劇を思い出す時、今来の怪全て清算す。其の鍵、道化師が集まりし見世物小屋に有り。】



つまり私自身の正体を知りたければ【道化師が集まりし見世物小屋】に来いということだった。



私が思い当たる場所は一つしか無かった。







「……あっ、もしもし。中原幹部。お休みの日、恥ずかしながら遊園地に行きませんか？」

決められた偶然→←お味はいかが？

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

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