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はるうらら 、 春爛漫
そんな言葉がぴったりと当て嵌る暖かくて春色に染まった街並み
風が吹けばふわりと桜の香りが鼻先を擽る
さあ 、 と儚げに舞い散る桜の花びらは どこか寂しさを感じさせた
街ゆく人達は皆希望と少しばかりの不安を抱えてしっかり前を見て歩いていた。
＿＿＿ 情けない
ぴし っと 綺麗な折り目の着いた制服
傷ひとつなくて型くずれしていない鞄
少し大きくて歩く度にかぱと音のなるローファー
周りの目を気にして少し気合を入れた身嗜み
全部が私を緊張させて今にも吐きそうなくらい心臓がうるさい
私は昔から新しい環境が苦手だった｡
クラス替えも席替えも長期休み明けの教室の雰囲気でさえ苦手だ
今日から中学生
他の小学校との合併校だから見知らぬ顔が山ほど居るだろう
そんな中私はやって行けるのだろうか
いや無理だ､きっと誰とも馴染めずに寂しい中学生活を送ることになるんだ
ぐるぐると渦巻く頭とは裏腹に足は意外と冷静で目的地に向かっていたようで気付けばクラス発表される掲示板の前だった
「茜…A…2組か」
人混みをの中を少しずつ掻き分けて吐きそうになりながらも見つけた自分の名前は2組の枠にあった｡
気付けば声に出ていたようで隣にいた真面目そうな少しだけ目付きの怖い男の子にガン見されていた
ひえ、殺される
蛇みたいな目付きとどしっとした立ち姿は本当にこの前まで小学生だったのかと目を疑うほどだった
「…ご､ごめんなさい!」
何とか出た声はビブラート機能でも付いているのかと言うほど震えていて本当に情けなかった｡
その場にいることが怖くて逃げ出した｡ 変な人って思われた
2組の前にいたからあの人も2組?
それなら私もう終わった､もう無理だ 修正不可
独り言の激しい根暗陰キャって思われて終わり
…根暗陰キャに違いはない
「ああ､ほんとに情けない」
遠くの方から声がした
「1年生は少し早めに教室へ入るように､ 30分にはHRを始めます」
つられて時計を見れば9時15分を指していた
…なぜもっと早く声を掛けないのか
ため息を零しながら歩こうとした矢先
＿＿ﾄﾞﾝ
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作者名：楪 | 作成日時：2022年2月12日 22時
