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AM 5:45
私の朝は早い。がなぜか決まってこの時間に目が覚めてしまう。本当はもう少し遅くてもいいはずなのに。
…これが慣れか。


起きてしまった以上、朝餉の支度をしなくては…と重い体を起こそうとするが、どっかの誰かさんのせいでなかなか起き上がれない。



『ん、紅。腕どかして』




なぜか私の腰あたりには当たり前のように腕がのしかかっている。




紅「……あァ?んだよA……もう少し…寝かせ…ろ…(グー」



そう、この男のせいだ。新門紅丸。第七の大隊長だ
しかし。いいのであろうか、恋仲でもない22歳の男女が毎晩同じ寝所で共に過ごしているのは………さすがにアウトだろ

はぁ、とため息をひとつ漏らしてこのやたら顔だけはいい幼なじみの頬をつつく


『そろそろ紺炉も起きてきちゃうんだけどな〜』


紅「……………………知るか」



いや知ってくれ



『紅はまだ寝てていーよ。準備できたらまた起こしくる』


そう言っても私の腰に回されているこの男の腕はほどけることなく、なんなら力が入った気がした、

私の胸あたりにかかる寝息からして、昨日は遅くまで飲んでいたのだと大体察しがついてしまう私はきっとただの変態なんだと自分でも思う。


このバカに片想いしてもう何年も経つが私たちの関係は未だ平行線上だ。なのに距離感はいかれている、長年の付き合いというのは恐ろしいものだ


何度諦めようかと思ったが、この関係を崩したくはないと思うとやはり私からは離れることが出来ない。紅の寝顔を間近で見られるのは私の特権だ。



カタンと台所から軽い物音がした。紺炉が起きてきたんだろう。そろそろ私も…



『おーい、若。頼むから腕の力緩めて』



この腕がある限り私は起き上がることすら出来ないし、寝起き早々発火能力なんか使う気力は私にはない。


紅「…………その呼び方…嫌ぇだ」



『はぁ、、』



………こんなやりとりをほぼ毎日していると思うとさすがに笑えてくる話だ。

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作者名:ゆーの | 作成日時:2020年11月12日 0時

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