たんぺん。#3

#25 ページ5

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「尚生さん」


「んーー」


「たまには、こう、いちゃいちゃ♡ って感じのことしましょ？」


「…あほか」


「痛っ」



尚生さんの家
恋人同士である私たち
いちゃいちゃに繋がらないわけがないだろう、とずっと思っていた


この人と付き合い始めるまでは…



「別に頭叩かなくてもいいじゃないですか」



「叩けば頭良くなるやろ」



「どういう理屈ですかそれ…」



この人は、頑固で図々しくてわがままで
年上なのに子供みたいで
尼崎のジャイアンと呼ばれているとかいないとか…



「あんまりジャイアンぽくないけどなぁ…」



そんなにかなぁと首を傾げていると
唐突に尚生さんが口を開いた



「なぁ」



「はい？」



「俺に愛想尽かしたらすぐ他の男のとこいけよ」



「…なに言ってるんですか？」



「俺、家でいちゃいちゃとかそんなんあんま好きじゃないしさ」



「はぁ…」



「わがままで頑固ってよう言われるし、お前、我慢できなくなったら本当に他のとこ行った方がいいって」



それはまるで、他のとこに行けと、指示されているような…



「私が尚生さんのこと嫌いになるって思ってるんですか…？」



「ん…あぁ…まぁな」



「そんなことある訳ないじゃないですか…」




確かに愛想もあんまりないし
正直スキンシップもそんなに多くはないから
我慢することは多いけど



「一緒に居られるだけで私はいいですから」



あなたと居られることが、私にとっての一番だから

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