灰かぶりの白雪姫 (ページ3)

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Aside

私の家庭は伝統ある企業を代々引き継いでおり、現在は私の父の代にあった

実母は私が物心つく前に他界し、1年前までは父と共に生きてきた

しかしドラマのようなことは起こってしまうものだ

父が病に倒れてしまった

母も居らず自分もままならない状況で、娘を1人にしてはならぬと思ったのか、父は焦るかのように再婚をした

それが今の継母である

父がいる間は良かった

継母は、最初は優しかったのだ

父がこの世を去ってからは全てが変わってしまった

驚いたことに、継母には私より2歳上の娘がいたのだ

継母は父を騙していた

父の死後、妻という権力を使って好き勝手に生活している

私は身寄りがないもほぼ同然であるので、継母を止めることもできずに、ひたすらに2人からの冷たい仕打ちを受けるのに耐える生活になってしまった

父には優秀な部下が何人もいたため、父の死で倒産する会社ではないが、裏では継母が統率しているようなものだろう

母「これ、洗濯しておいて」

「はい」

姉「服、新調しておいてよね」

「わかりました」

純香「Aさん、体調はいかがですか？」

父の生前、私のお手伝いさんとして働いていた純香

今は私の側近ではなくなったけれども、継母や姉の目を盗んでは私に話しかけてくれる

純香は私が唯一心を許している相手だ

年も同じで、これまでも私はお友達のように接してきたから、こうなった今、尚更畏まった態度は取らなくてもいいとは思い、本人にもそう言っているのだが、本人は辞める気は無いみたいだ

「ありがとう。大丈夫だから心配しないで。純香、そろそろ行った方がいいかも…」

純香「ですが…」

「ほら、足音が聞こえるから」

純香「力になれず申し訳ありません…でも、何かあったらおっしゃってくださいね」

「ありがとう。純香もね」

切なげに笑い、自分の仕事場へと戻っていった純香