2話 ページ3
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それから次の日の朝。
赤也たちテニス部レギュラー陣が朝練を終え、並んで校舎に向かってる時のことだ。
『あっ！赤也くん！おはよう！』
赤也にとって聞きなれた友人の声に顔を振り向かせる。
切「おう、A。はよ。」
『赤也くん、今日もお疲れ様！』
切り 「おう！ありがとな！」
ニカッと満面の笑みを見せる赤也。
隣を歩いてたら急にピタッと立ち止まったA。
切「おい、どうしたんだよ？」
『赤也くん…その、お姉様と知り合いなの…？』
切「え？お姉様？誰の事言ってんだ…？」
赤也たちは今レギュラー陣の後を歩いていた。
もちろんその中に女はAくらいだ。
不思議に思っていると、
『そっその、藍色の髪の色の…』
切「は？部長のこと？」
『えっ！部長なの！？』
突然大きな声を出すAにレギュラー陣もみんな驚きの表情をして立ち止まり後ろを向く。
切「？部長だけど、急にどうしたんだ？」
『私がいつも言ってるお姉様ってこの方なんだけど…！赤也くん知り合いだったの！？そうなんだったら早く言ってよ！』
切「は？お前がいつも言ってるお姉様って幸村部長のことかよ！知らねえよそんなこと！」
『…ていうか赤也くん、男子テニス部だよね！？なんでお姉様のこと部長って…。』
切「お前…何言ってんだよ…幸村部長は男だぞ…」
『えっ嘘…』
ポカーンとした顔で立ち尽くす。
幸「…俺、男なんだけどなあ。」
と、言って苦笑を漏らす幸村
『えっ…なにかの冗談ですか？』
切「落ち着け…幸村部長は男だぜ？」
固まるAを放って、赤也事情を説明しだす。
幸「…なるほどね、屋上の花壇に水をやっている俺を女だと勘違いしてずっと物陰から眺めていた、と…。
いつも水をやっている時に視線を感じていた原因は君だったんだね。
ファン子に付きまとわれてるのかと思ったよ…。」
『はい…その、すみませんでした…』
切「ぷっ…あはは！A本当に面白いな！」
Aは、大声で笑い出した赤也に顔を真っ赤にしながら怒る。
幸「面白い子だね。君、名前は何て言うんだい？」
『AAです！』
幸「俺は幸村精市。男子テニス部の部長だよ。よろしくね。」
手を差し出す幸村に顔を真っ赤にし、あたふたしながらも、Aは差し出された手を握る。
幸「ふふっ、今からいつもの水やりに行くんだ。Aさんも一緒にどうかな？」
『もっ、もちろんです！』
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作者名：紅 葉 | 作成日時：2018年8月10日 22時
