183話 ページ34
ユウside
デュ｢…Aが恐れていたモノって何なんだろうな。｣
オクタヴィネル寮からの帰り道、静かに歩いている中、デュースがぽっと呟く。
デュ｢Aがどう思っているのかは分からないが、僕はAのマブだと思ってた。
でも、結局Aのことを何も知らなくて。
きっと僕達が最初にAを預かっていても、あんなに心許されていたとは思えなくて、少し悔しい。｣
立ち止まって下を向くデュース。
正直、自分も同じ気持ちだから慰める言葉すら浮かばない。
一緒に住んでるのに、Aちゃんの誕生日や好きな食べ物すら知らない。
だから、僕らよりも他の人と仲良くしていると嫉妬してしまう。
自信がないんだ。
Aちゃんの中での僕らの立場がわからなくて。
大切にしてくれてるのはわかるけど、マブってそれだけじゃないと思うんだ。
Aちゃんは僕らのことを何でも受け入れてくれる。
我儘も、弱いところも、傷付けてしまうような言葉も、何もかも。
それが、救いになる時もあるけど、距離を置かれているような気持ちにもなるんだ。
こんな想いこそ我儘だとは思う。
だって結局そんな存在になれてないのは僕らが頼りないからだ。
そんなのを棚に上げて寂しいだなんて傲慢だよね。
エース｢あのさ、マブって相手のこと全部知らなきゃダメなわけ？｣
ユウ/デュ｢｢え…？｣｣
エース｢知らないからこそ見えてくるもんもあるんじゃねーの？
知らないから、オレらと一緒にいてAは楽だったんだろ。
普通言えないだろ、虐待されてたなんて。
Aにも言わなかった理由があるはずなのに、言って欲しかったワケ？｣
まさかエースがそんなことを言うとは思ってなくて、思わず固まってしまう。
デュ｢…エース、お前、｣
エース｢ああもう！アンタらが変に落ち込むから柄じゃないこと言っちまった…ってバカ！！肩組むな！！！！｣
感動して目をキラキラとさせながらエースに戯れ付くデュース。
エース｢とにかく…！オレらにできるのは、Aがいつでも心地よく居れる場所をつくっておくことだけ！｣
ないものねだりするよりもオレらに出来ることをやればいいでしょ！と少し顔を赤くしながら投げやりに言う。
…そっか。
そうだよね。
ユウ｢エース！ありがとう！！｣
寝ているグリムを抱えているのを忘れ、二人に思いっきり抱きつく。
その後、衝撃で起きたグリムに怒られたのは言うまでもない。
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のと(プロフ) - +ちっくさん» どクソ重シリアスが好物なので泣いてくださって嬉しいですヽ(｡･ω･｡)ﾉ私もこのまで読んでくださった+ちっくさんが大好きです！！ (2021年5月12日 22時) (
レス) id: 2cc152cab9 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 泣かせんなよおおお！！。゜(´∩ω∩｀)゜。結界師とか懐かしいって思って読んでたのになんだよこれぇぇえうわあああ！好きだあああ！ (2021年5月12日 18時) (レス) id: 0cbf2f128f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のと | 作成日時：2021年1月15日 16時
