170話【過去編】 ページ21
限side
息をのんだ。
目の前で自分のせいだと言いながら殺された。
そんなことされたら自分が死ねば良かったのにと思ってしまうのも頷ける。
俺も姉ちゃんに怪我させて、ふと思い出してしまう程自分の行動を悔やんだ。
壊れるよ。
壊れちゃうよそんなことされたら。
でも
どんなに辛くても、苦しくても、心を閉ざせばまた大切な誰かが殺されると心の逃げ道すら壊された。
それから一人で抱えていたんだ。
あんなに小さな、俺と同じ年なのに俺よりも遥かに小さな体で。
そんなに重い物を背負っていたなんて最初会った時には想像もしなかった。
そこからも少し細波さんの言葉は続いた。
身体に自分で壱と刻んだのは小屋によく来る男が文字や怪我が消えてると不機嫌になるからだということ。
存在を認識させないようにと使っていた術を絶界の応用と知らずに使っていたこと。
ユウトが殺されてからはまともな食事は殆どなく、砂や生ゴミを食べさせられていたこと。
夜行に顔を出すようになる前は毎日難易度の高い任務を押し付けられ、アヤカシを滅していたこと。
毎日降りかかる暴言は一種の洗脳のように少しずつAの心を蝕み、その通りだと思い込むようになったこと。
最後に、
記憶にロックが掛かっていなかったことから恐らく十二人会は深く関わっていないでしょう
という言葉で話は終わった。
細「言葉にしてみればこんなもん…いや、これだけでもかなり酷い方ですが、
実際の映像はもっとずっと酷かった。
アイツら、嬢ちゃんを人間だと思ってねぇ。
まるで物みたいに扱いやがる。」
グッと拳を握り締めながら下を向いていた顔を上げ、頭領を真っ直ぐに見詰める。
細「…頭領。
絶対。絶対に今日、あの子を助けてください。
俺にあんなもん見させたんです。
寝覚めの悪い朝なんて嫌ですよ？」
正「あぁ。分かってる。
必ず助けるさ。」
その日の夕方、頭領は一人で裏会へと足を運び俺たちはただ無事に帰って来るのを祈ることしか出来なかった。
夜、いつもなら寝ているだろう時間に頭領は帰ってきて俺たちの顔を見るなりピースをして笑った。
今までのAへの扱いの証拠を叩き付けて、どうにか墨村の家に帰れるようこじつけたそうだ。
そこから少しずつAは普通の生活を送れるようになった。
でも、もちろんトラウマは消えないし
自分は居ない方が良いって思いを俺達は消すことは出来なかった。
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のと(プロフ) - +ちっくさん» どクソ重シリアスが好物なので泣いてくださって嬉しいですヽ(｡･ω･｡)ﾉ私もこのまで読んでくださった+ちっくさんが大好きです！！ (2021年5月12日 22時) (
レス) id: 2cc152cab9 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 泣かせんなよおおお！！。゜(´∩ω∩｀)゜。結界師とか懐かしいって思って読んでたのになんだよこれぇぇえうわあああ！好きだあああ！ (2021年5月12日 18時) (レス) id: 0cbf2f128f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のと | 作成日時：2021年1月15日 16時
