165話【過去編】 ページ16
限side
夜行本部へと帰れば何やら騒がしい様子。
何があったのかと騒ぎの中心に行けばAが血だらけになって倒れていた。
限｢....ｯ！？｣
翡｢一体何が....！？｣
急いで駆け寄ると頭領がそのままAを抱えて歩き始めた。
正｢....話はあとだ。先に治療させる。｣
いつもよりも大分低くなった声は、かなり怒っているのだと分かる程だった。
頭領のあんな声、初めて聞いた....。
治療が終わるまで自室で待機していると、30分後に頭領から呼び出しがあった。
呼び出されたのは小屋へと向かったメンバーだ。
集まってすぐに先程の出来事を簡単に説明された。
Aは起きて早々怪我が治っていることに驚き、服を捲ってお腹を確認して青ざめたそうだ。
そして何度も謝りながら自身の腹に《壱》と言う文字を何回も刻んでいったと。
壱....いち....
限｢....！翡葉さん、あの壁の文字！！｣
翡｢！！あれか....！！！｣
壱という聞き覚えのある言葉に小屋の壁に刻まれた文字を思い出した。
すぐさま翡葉さんに伝え、頭領に壁の写真を見せる。
正｢....壱、ねぇ。｣
そう一言だけ零し考え込む。
一体《壱》とはなんなんだろう。
壁には違うと書いていたのに、どうして自分の体に....。
正｢まあ、詳しいことは本人から聞き出すさ。｣
巻｢到底素直に話してくれるとは思えませんが....｣
巻緒さんが頭領の言葉に間髪入れずに返せば、頭領は怪しげに笑った。
正｢はは、だろうな。でも、
....Aには悪いが、強制的に吐かせてもらう。｣
小屋で集めた証拠に一通り目を通した後、頭領が立ち上がる。
そろそろAが起きる頃だから行ってくる、と部屋を出ようとしたのを反射で裾を掴んで止めてしまった。
な、にやってんだ、俺。
自分の行動に自分で驚いていると、頭領が俺の目線に合わせるように座る。
正｢....限には想像もできない程辛い話を聞くことになると思うが、来るか？｣
真っ直ぐ見つめられ言葉に詰まる。
俺は、Aが傍に居てくれたことが嬉しかった。
どんな理由だったとしても。
俺の傍には誰もいない、皆居なくなる。
そう思っていた俺の傍にただ居てくれた。
はじめて、友達だと思えた。
だから、
限｢....俺、Aのことなんにも知らないままなの嫌なんです。
だって、俺はアイツの、
アイツの友達だからｯ....！！｣
よく言った。
頭領はそう言って頭を撫で手を引いて部屋の外に出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のと(プロフ) - +ちっくさん» どクソ重シリアスが好物なので泣いてくださって嬉しいですヽ(｡･ω･｡)ﾉ私もこのまで読んでくださった+ちっくさんが大好きです！！ (2021年5月12日 22時) (
レス) id: 2cc152cab9 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 泣かせんなよおおお！！。゜(´∩ω∩｀)゜。結界師とか懐かしいって思って読んでたのになんだよこれぇぇえうわあああ！好きだあああ！ (2021年5月12日 18時) (レス) id: 0cbf2f128f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のと | 作成日時：2021年1月15日 16時
