L . T U N E H O U S E !!

# お か し い . ページ39

〈 m o r i t a 〉




美「こんなもんか…」




汗で濡れたTシャツを



年季の入ったカバンに詰め込む



スタジオを出れば、個性的な人間ばかり




『森田くん。バイバイ！』

『今日もダメ？』

『練習見てくれませんか！？』




きっつい香水を振りまいて



露出の高い服で誘ってくる



笑顔で乗り切るのも疲れた…



ヘッドホンからお気に入りの音楽を流す



昔からダンスが大好きで



専門のスクールに通っている



これは、趣味であって本業は



ウェディングプランナーの卵



最近、アシスタントも多くなってきたし



ダンスの時間減るな〜



そんなこと考えてる間に家に着いた




美「ん… あれ？」




玄関のカギ開いてる…？



やっすーいんの？ でも、今日…




安「クライアントさんと食事会行くから！」




って言ってたよな…？？



そろ〜っと入ると、ちっちゃな靴が転がってる



Aちゃんが帰ってきてるのかな…



リビングのドアが少し開きっぱなしで



ゆっくり顔を覗き込む




美「Aちゃん！？」




床に、リュックと弁当箱が転がっていて



その先にソファーにうずくまっている



Aちゃんがいた




「だれ…？」

美「俺。美勇人。」

「美勇人…か…」




少し目を開けたAちゃんの顔は真っ赤で




美「あっつ…」




絶対熱あるじゃん…

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