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ローレンは法定速度を嘲笑うような速度でアジトへ向かった。途中で警察の誰かに声を掛けられたような気もしたが、全部無視して、Aが待つアジトへ直行。
「それでさー、ひっ…」
「なっ…！？」
「ごめん！」
火花を散らして、バイクを急停止させたローレンはヘルメットを座席に置くなり、アジトへ足先を向けた。
アジト裏駐車場で車にステッカーを貼り、談笑していたきゅぴ、黒炭酸が驚いた声を出す。「なんだ？」と瞠目する2人を置いて、扉のパスワードを入力し、ガチャと音がした瞬間に少しだけ開き、身体を滑り込ませる。
アジトなので客人を通すなんて滅多に無いが、通すとしたら恐らく、リビングだろう。
早足で廊下を進み、扉を開けばらっだぁと2人きりで話をしていたAがいた。ローレンが入室するなり、Aは作り物の目と細くて柔らかそうな身体を此方へ向ける。
会いたかった。
俺の、会いたかった人が目の前にいる。
「らっだぁに何かされてないっすか、Aサン！」
「第一声がそれって終わってるよ」
「お邪魔してます。…えっと、丁重にもてなして貰ってます。あ、あと和菓子も頂きました…ローレンさん？」
直後、脳裏に流れたのは彼女へのラブコールである。
は？やば、めっちゃ可愛い。
俺の名前呼ぶAサン可愛すぎる。その声で呼んでくれるとか神か？え、これ無料で聞いちゃっていいの？つーか、桜の形をした和菓子食べてる。Aサンが和菓子食べてる情報だけで世界救えるよ。しかも、食べ方めっちゃ綺麗やん。
はー、もう好き。好きすぎてしんどい。今日の世界、Aサン以外滅べとか思ってたけどやっば生きてていいわ。和菓子食べてるAサン拝める世界に今日は感謝しとこう。今日のところは。
でも、アジトにいるAさんマジで違和感無さすぎる。むしろここにずっといた？ぐらいの馴染み感。ギャングのアジトってことで緊張しているのか分からないけど、カフェMASKにいる時よりそわそわしてる感じあるの、超堪んねぇわ。なんだろう、檻の中でぷるぷる震えてる兎みたいというか。愛でる気持ちを増幅させるような薬を打たれたような気分、最高過ぎん？
まじで、可愛い。この世にこんな可愛い人間っているんだ。
まぁそれが、Aサンっていう俺の最推しで愛してる人なんだけど___________
「あ、あの、ローレンさん…？」
「気にしないでAさん。ローレン、今ガチ恋ヲタクタイム入ってるだけだから」
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堅香子(プロフ) - 文才とてぇてぇが溢れてていっぱいすき (5月3日 19時) (
レス) @page22 id: 3ee8fa3e36 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 表現が丁寧で想像もしやすくてドキドキしながら読みました。更新楽しみにしています。 (3月21日 17時) (レス) @page15 id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
しずく - 本編も大好きです。番外編も本編とはまたちがった面白さが見られそうで、これから誰が登場するのか、どのような物語を紡いでいくのかとても楽しみです！ (3月9日 0時) (レス) id: 688b0f975d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年3月9日 0時
