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ページ17

「えぇ!?もんどさん、彼女いないんですか…!?えッ!?もんどさん、とてもかっこいい方なのに、そんな事あるんですか…!?あっていいんですか…!?」
「俺らに隠してなきゃね。…ふぅん。もんどの彼女がいるかいないか、気になるの?もんどがかっこいい…ふーん…」
「あ、いやっ…そのっ…」


カフェMASK店内の壁に設置された時計は午前10時を告げる鐘が鳴るも吃驚の声が被さり、聴こえなくなっていた。
同時に隣に座って優雅に足を組むセリーさんの切れ目の瞳から放たれる謎の圧に押され、思わず口篭る。


「ふーん…もんど、かっこいいんだ?」
「え、えぇ…?かっこいいと思いますが…世の女性を虜にするようなお顔立ちだと…」
「へぇ、Aはもんどの顔が好き?」
「うっ…ん…?」


肯定も否定も、色んな所で誤解が生まれそうな難しい質問…!!
どう答えるのが正解なのか、分からない。分からないというか、答えを間違えたら誤解が確実に生まれそうで答えられない!

もんどさんに彼女はいるかいないのかという議題から段々とズレていった本件。
視線の中に隠された見えない圧が凄くて、彼のご尊顔が被り物の口許に口付けが出来てしまう程に接近していて、最早答えられる状況では無く、思考はパンクを起こしていた。

取り敢えず、話題を逸らさねば。
この近さは幾ら、被り物越しでも心臓が働き過ぎてしまう…!!


「セ、セリーさんは彼女はいらっしゃったり…」
「いない」


即答したセリーさんの整えられた眉が糸で引かれたように吊り上がり、視線は凍てついた矢のように突き刺さる。
話題間違えたと察しつつも迫ってくるセリーさんをどうするべきか、ちぎれた回路を継ぎ接ぎで繋ぎ、答えを出そうとしていると両脇に手を差し込まれ、勢いよく上へ持ち上げられる。
軽々と宙に浮いた身体は驚き、突然の浮遊感に心臓がどくんと大きく跳ねた。


「いじめちゃ駄目!」


うひ、と情けない声が口から洩れると同時に聴こえた動きを制する声。
視界端に見えた燃えるような赤髪に目尻が上がった双眸には新鮮なオレンジに似た色を宿す瞳が嵌め込まれている。モデルのような完璧なスタイルに甘いマスクを引っ提げたcptさんは私を地面に降ろし「大丈夫?」と声を掛けてくれた。


「いじめてないよ」
「そうなの?」
「嫉妬しただけでしょ」


cptさんの背後に隠れていたのは話題の中心人物であるもんどさん。
揶揄うように目を細め、愉快そうに笑いながらセリーさんを見つめていた。

▼→←file2:始まりは珈琲の香り



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堅香子(プロフ) - 文才とてぇてぇが溢れてていっぱいすき (5月3日 19時) (レス) @page22 id: 3ee8fa3e36 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 表現が丁寧で想像もしやすくてドキドキしながら読みました。更新楽しみにしています。 (3月21日 17時) (レス) @page15 id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
しずく - 本編も大好きです。番外編も本編とはまたちがった面白さが見られそうで、これから誰が登場するのか、どのような物語を紡いでいくのかとても楽しみです! (3月9日 0時) (レス) id: 688b0f975d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こりん | 作成日時:2024年3月9日 0時

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