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「…さん……Aさん！！」
「！？」
誰かの名を呼ぶ声で急激に意識が浮上し、勢いよく顔を上げればそこには心配そうに此方を見つめるきなこさんの顔があった。ぽたぽたと頬から伝って落ちていく冷や汗がカウンターを汚すも今はその光景を眺めている事しか出来ない。
はあはあと口から零す息は荒い。今ここに自分がちゃんと存在しているかを確かめるように心臓に手を当てる。どくどくと激しく脈打つ鼓動は生きている証となり、やっと思考が落ち着いていく。
「大丈夫？相当、魘されていたみたいだけど…」
「あ、はい…大丈夫です。すみません、勤務中なのに寝てしまって…」
「いいよいいよ。今、朝の午前3時だし。何か飲む？」
「い、いえ！私が持ってきます。きなこさんはなぜ…？」
「座ってて。俺が持ってくる。あー因みに言うと俺もさっき寝てた。起きてからは暇だったから手書きメッセ書いてたの。一応店自体は閉めてるから客は来てないと思う。ま、来てたやつはドンマイって事で」
きなこさんはホットミルクをカップに注ぎ、提供してくれた。御礼を言いつつ、温かいホットミルクを口に含む。
先程の夢から与えられた異常な程の恐怖を少しでも和らげてくれる優しい味だ。
「それにしても、Aさんがここで寝落ちするなんて珍しいね。最近、シフトめっちゃ入ってくれてるし少しは休んでもいいんだよ？なんなら、1週間休んじゃってもいいぐらいだし…」
「い、いえっ！入れる時は入ります！それぐらいしか…私には、出来ない…ので…」
『君はさぁ！まともに仕事出来ない訳！？このぐらいの仕事、こなせなきゃ君がいる意味無いんだよ！君を入れるぐらいなら、他の子を入れた方がマシだったかもね』
『同僚の人達は残業してないのに、君だけずっと残業してるじゃない。ま、君はそれだけが取り柄なんじゃない？仕事が無駄な時間を使って出来る、ぐらいしか』
『Aさん、気にする必要ないですよあんなパワハラ上司！自分の仕事をAさんに全部押し付けて…！私、言いますよ！訴えた方がいいです！絶対に！』
『だ、大丈夫だよ…。任せられた仕事ミスっちゃった私が悪いし…だから、大丈夫。仕事、しなきゃ…皆に迷惑かけられないし。そうじゃないとここにいる意味、無いから…』
嫌な夢に引き摺られて、過労で倒れる以前の記憶が呼び起こされた。
せっかく、ホットミルクが気持ちをまろやかにしてくれたのに…また気分が、濁っていく感覚が苦しかった。
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夢打刻 - 🐹さんが出てくる話少ないので嬉しいです…！！ (3月24日 9時) (
レス) id: 15c763c3c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 今日初めて見て追いついてしまいました。kzhがめちゃくちゃかっこよくてどうなるのか幸せになってほしいと願いながらまた楽しみにしてます。 (3月21日 22時) (レス) @page41 id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - もう最高です更新毎回楽しみにしております…！！kzhがちょこちょこ出てくるものの詳細が出てないの気になりすぎて夜しか眠れません…大好きです…更新疲れるかもしれませんが…頑張ってくださいずっと応援しております！！！！ (3月9日 23時) (レス) @page29 id: c35a40f298 (このIDを非表示/違反報告)
しずく - すてきなお話で、いつも更新を楽しみにしています。ちょこちょこ登場しているkzhが気になります！これからもだれか参戦するのかな？どんなお話になるのかなと楽しみにしています。 (3月9日 1時) (レス) @page29 id: 688b0f975d (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 実はもんど署長の参戦、もしくは絡み期待しちゃってるのですがご予定ありますか...？いつも楽しく読ませていただいてます！ (3月9日 0時) (レス) id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年2月18日 17時
