▽第2の人生は"NPC" ページ39
いつも通り、レジに立つ私は淡々と仕事をこなしていた。
お昼時はやはり、人の出入りが多くある程度の速度が無ければすぐに混雑してしまう。
けれど、常連客や見知った顔を見かければ少しだけが不思議と楽になる。後ろはかなりの行列でも、対応しただけで少し気が楽になった。
昼のピークを無事に捌ききった私は、人が空いた店内を見つめていると桃色の長髪を揺らしたセリーさんが来店された事に気付く。
「ドリンク10個とドーナツ5個」
「…？はい」
何処か素っ気ない態度に違和感を感じつつも、オーダーされたものを作り、提供する。商品を待つ間にもセリーさんはずっとスマホを弄っていて、此方を見向きもしない。
いつもなら何か話しかけてくれたり、"よちよち"をオーダーされたりするのに。
いや、警察はいつも多忙なので仕方ないだろう。
「お待たせしました」
商品を受け取り、此方には見向きもせず背を向けるセリーさん。傍で寛いでいたきなこさんに話し掛けられるとやっとスマホから視線を外して、何か他愛のない会話を広げている。
…あれ、私また何かしてしまったかのだろうか。
でも、何か違う。前はこう…怒っていても、距離は近くに感じられた。でも今は…まるで、"私"という存在には目もくれずに生きているみたいだ。
やばい、相当怒らせてしまったのだろうか。
もし、私側に不備があるなら謝らなければならない。
彼の元へ駆け出そうとする。けれど、足が地面と縫い付いたように動かない。脳が何度も動けと命じても、弾かれてそのままずっと屹立している。
そういえば、私…ずっとここに立ってる…？
時間を見る。出勤して働いている時間が24時間に差し掛かっているという事に気付く。次の瞬間、足元が暗穴が開き、そのまま下へ落ちていった。
落ちていく合間に見上げれば、そこには私を抜いたいつものカフェMASKの光景があった。手を伸ばした先にある光景がとても眩しく感じ、戻ろうとしても戻れない。
「貴方に居場所なんてあるの？」
「…え？」
「ここは選ばれた人しか来れない世界。NPC如きの貴方が居ていい世界だと思っているの？本当に目障り。消えちゃえ。NPCが勝手に歩くなよ。貴方もしかして、自分が主人公だとでも思っちゃった？何者にもなれないお前に？身の程を知れば？NPCの代わりなんて幾らでもいるのよ？あんたなんて、この物語に必要ない。居場所も無い。だから、さようなら」
あぁ、そうだった。
私はこの世界で___________NPCだったや。
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夢打刻 - 🐹さんが出てくる話少ないので嬉しいです…！！ (3月24日 9時) (
レス) id: 15c763c3c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 今日初めて見て追いついてしまいました。kzhがめちゃくちゃかっこよくてどうなるのか幸せになってほしいと願いながらまた楽しみにしてます。 (3月21日 22時) (レス) @page41 id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - もう最高です更新毎回楽しみにしております…！！kzhがちょこちょこ出てくるものの詳細が出てないの気になりすぎて夜しか眠れません…大好きです…更新疲れるかもしれませんが…頑張ってくださいずっと応援しております！！！！ (3月9日 23時) (レス) @page29 id: c35a40f298 (このIDを非表示/違反報告)
しずく - すてきなお話で、いつも更新を楽しみにしています。ちょこちょこ登場しているkzhが気になります！これからもだれか参戦するのかな？どんなお話になるのかなと楽しみにしています。 (3月9日 1時) (レス) @page29 id: 688b0f975d (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 実はもんど署長の参戦、もしくは絡み期待しちゃってるのですがご予定ありますか...？いつも楽しく読ませていただいてます！ (3月9日 0時) (レス) id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年2月18日 17時
