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「すみません。俺、葛葉さんを」
「いいの。月島さんは何も悪くない…言われたよ。だるまに何かから逃げてるって。アルスに暗い顔してどうしたのって。…しまいには、かるびにも言われた。『葛葉、最近おかしい』って。あのかるびにもだよ？」
黒塗りされた車の外装を撫で、視線を下へと落とす葛葉。
痛々しい背中を見て、月島は自分が言ったことがどれだけ彼の心を傷付けたか、後悔の念に苛まれる。
でも、だるまと気持ちは一緒だった。
また、アルスとも一緒だった。
彼は今、逃げているようにしか見えない。前を向きたくないと言わんばかりに顔を逸らして、彼らしくもなく逃げている。
ずっと暗い顔をして、それを誤魔化すように沢山笑って、平然を取り繕う。その姿が何とも痛々しく、どう声を掛けていいのか、分からない。
言葉を間違えれば傷付くのは、痛みを感じないように振る舞うことを得意とする彼だ。そうして、彼の精神はまた酷く削られてしまう。
だが、踏み出さなければ。
彼の心を癒すのは、彼女しかいないと分かっているから。
「…どう、するんですか？」
「セリーやローレン、カフェMASKの面子に警察がいるから大丈夫。俺がいなくても…いや、元から居なくてもアイツはこの街で生きていける。好きな奴とくっついて、ちゃんと守られて、幸せに生きると思う。そういう奴らに、好かれてるし」
「葛葉さん…」
駄目だ、俺にはこの人の背中を「いけ！」と強く押せない。
彼の抱えている痛みを知っている自分は、して欲しくもないだろう同情を抱えてしまう。
ならば、せめて。少しでも、彼に癒しをあげたいのだが。
「Aさんを巻き込んじゃった…れん、どうしよ、これじゃ…最悪、まじで…」
「ひなーのが落ち込むなんて珍し」
「だって！Aさん、私のせいで危うく刺されそうなったんだよ！？間一髪、だるさんが止めてくれたけど…あぁ、どうしよう…アタシ、なんて謝れば」
横の整備レーンで聞こえた会話。耳に届いた瞬間、すぐに隣にいた葛葉へ目を転じる。
浅く何度も繰り返される呼吸。浮かぶ冷や汗の量は見るからに異常で。その氷肌は誰もが羨むものの、色は青に染まっていた。
「僕のバイク、直して欲しいんだけど…ちょっ！？」
「葛葉さん！？」
振り子のように揺れ、遂に耐えきれなくなった葛葉の身体は脆く崩れた。間一髪、来店した叶が受け止め、怪我は無かったが…悪夢に魘されているかのように、葛葉の顔は苦しみに精神を侵されていた。
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夢打刻 - 🐹さんが出てくる話少ないので嬉しいです…！！ (3月24日 9時) (
レス) id: 15c763c3c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 今日初めて見て追いついてしまいました。kzhがめちゃくちゃかっこよくてどうなるのか幸せになってほしいと願いながらまた楽しみにしてます。 (3月21日 22時) (レス) @page41 id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - もう最高です更新毎回楽しみにしております…！！kzhがちょこちょこ出てくるものの詳細が出てないの気になりすぎて夜しか眠れません…大好きです…更新疲れるかもしれませんが…頑張ってくださいずっと応援しております！！！！ (3月9日 23時) (レス) @page29 id: c35a40f298 (このIDを非表示/違反報告)
しずく - すてきなお話で、いつも更新を楽しみにしています。ちょこちょこ登場しているkzhが気になります！これからもだれか参戦するのかな？どんなお話になるのかなと楽しみにしています。 (3月9日 1時) (レス) @page29 id: 688b0f975d (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 実はもんど署長の参戦、もしくは絡み期待しちゃってるのですがご予定ありますか...？いつも楽しく読ませていただいてます！ (3月9日 0時) (レス) id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年2月18日 17時
