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シーリングライトが落とす影の中で紫苑色の双眸が鋭利に光る。その瞳は、私の嘘を暴こうとしているようにも見えた。
天から降り注ぐ桃色の糸に包まれ、世界から自分と彼だけが隔離されたような感覚に脳が侵される。
また、頭上に纏め上げられた両手首が机と縫い付けられるように抑え込まれており、動こうにも動けない。ならばと足を動かそうとするが、気付けば足の間に彼の身体が割り込んできていて。動こうにも、どうすることも出来なかった。
呼吸の仕方をとうの昔にでも忘れてしまったのだろうか。
自分がきちんと酸素を取り込めているかわからない。分からない程に、私の意識は強制的に彼へと向けられていた。
セリーさんは呆気に取られ、気が動転して、瞠目する私をただ見下ろし、満足気に口許を緩める。
空の手がゆっくりと動き、顔の輪郭に触れた。指先で線をなぞるように下へ降りていき、首筋へ。襟元で止まるも、次は1番上まで締めたボタンを指先で弄りだす。
「こういう事、されなかった？」
「さっ、されてない…です。本当に、丁重に…」
「……ローレンにも？こういう事、されなかった？」
思わず、絶句してしまった。返す言葉が、肯定寄りだったから、慌てて止めたの方が正しいのだろうか。
一体何処から洩れた情報なのか聞きたい所であるが、間違いなくこの雰囲気で肯定したら、まずい気がする。だが、セリーさんの瞳を誤魔化せるような巧みな技術は生憎、持ち合わせていない。
「い、いや…あれば事故と言うか…なんといいますか…」
「…はぁ？されたの？いつ、どこで？何されたの？」
セリーさんに鎌を掛けられ、まんまと引っかかってしまった私の喉からキュッと気管が狭まる音がした。
自ら墓穴を掘ってしまい、まずい雰囲気が更にまずい雰囲気になっていく。あの時はらっだぁさんとしすこさんが来てくれたのだが、今はあの二人はいない。
つまり、自分でどうにかするしかなくて。
「いや！ほ、本当に…事故で…事故みたいなもので…ローレンさんも他意は無くって…凄く疲れて、眠れてなかったみたいで…」
「俺、二徹目」
「なんと…ご苦労さまです」
「だから、こういう事していい？」
「ヘッ」
なんて、間抜けな声なんだろうと呑気な観測者である私が呆れている。でも、観測者の声はすぐに消えた。
「ちょ、セッ、セリーさッ…！？」
ボタンが、取れた。いや、外された。
セリーさんの白くて細い指によって、第1ボタンが外されたのだ。
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夢打刻 - 🐹さんが出てくる話少ないので嬉しいです…！！ (3月24日 9時) (
レス) id: 15c763c3c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 今日初めて見て追いついてしまいました。kzhがめちゃくちゃかっこよくてどうなるのか幸せになってほしいと願いながらまた楽しみにしてます。 (3月21日 22時) (レス) @page41 id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - もう最高です更新毎回楽しみにしております…！！kzhがちょこちょこ出てくるものの詳細が出てないの気になりすぎて夜しか眠れません…大好きです…更新疲れるかもしれませんが…頑張ってくださいずっと応援しております！！！！ (3月9日 23時) (レス) @page29 id: c35a40f298 (このIDを非表示/違反報告)
しずく - すてきなお話で、いつも更新を楽しみにしています。ちょこちょこ登場しているkzhが気になります！これからもだれか参戦するのかな？どんなお話になるのかなと楽しみにしています。 (3月9日 1時) (レス) @page29 id: 688b0f975d (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 実はもんど署長の参戦、もしくは絡み期待しちゃってるのですがご予定ありますか...？いつも楽しく読ませていただいてます！ (3月9日 0時) (レス) id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年2月18日 17時
