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「…葛葉、一応言っとくけど
「うぐっ…」
叶さんは口許を緩ませながら、グレネードを蹴り上げた人物の名を呼ぶ。すると、何か呻き声を発して明らかにやってしまったという反応を取っていた。
「あの人…？」
葛葉と呼ばれた青年は第3回戦が始まる前に目が合った人物で、グレネードを蹴った事で深く被さっていたフードが外れていた。私と目が合うなり、彼は再び外れたフードを目深に被る。
そして、圧倒的美を纏う貌に見覚えがあった。
ゆぐどらしるの人質になった帰り、変な男達に絡まれた時に助けてくれた人物と酷似していた。否、本人だろう。
いくら脳の許容量が少ないとは言え、あの顔を見間違える筈がない。
こんな所で再会するなんて、と考えていると葛葉と呼ばれた青年は叶さんに指摘された瞬間、動揺したように肩を大きく揺らした。
ほんのりと顔を赤らめた葛葉さんはキッと此方へ振り向く。
その姿はチワワのような可愛い威嚇にも見える。
「そんぐらい分かってるし！」
「そう。なら良いけど…」
「ちょっとうるさーーい！」
「僕、何も言ってないんだけどなぁ」
だるまさんとありさかさんとはまた違う昵懇の仲が窺える会話内容。
葛葉さんは分かってるしを連呼しながら、爆発に寄ってきた相手を打ち倒す為にすぐさま近くのオブジェクトへと身を寄せた。喉をくつくつと鳴らし、上品に笑う叶さんは実に楽しそうである。
「葛葉さん…？って、叶さんの事が大切なんですね」
「えっ？」
「バリアあるのに助けてくれましたし咄嗟に庇うって…。その、素敵な友人関係ですね」
私の言葉に虚をつかれたように、叶さんの口が猫の口のようになる。
自然から生み出されるあざとさに関してこの人に勝る人はいるのだろうか、なんて考えていると叶さんはかぶりを振る。
瓦礫に身を隠し、相手のリロードを狙う葛葉さんの姿が映るホログラム映像を見ると次に私へ視線を移した。
灰色の瞳に宿された感情を読み解く事は出来ない。
けれど、叶さんは心を痛めるように愁眉を寄せる。
「ううん、葛葉が守ったのは僕じゃないよ。…Aさんを守る為に出てきたんだよ」
「…え？私…ですか？」
「ふふっ。じゃないと、葛葉はわざわざ出てこないよ」
…葛葉さんって、女の子に対して優しいのだろうか？
前も危険を顧みずに助けてくれたし…葛葉さんは理由は分からないが優しい人という事だけは分かった。
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humanfuuka1225(プロフ) - この作品を読むのが日々の日課になりつつあります…！更新楽しみにしてます！！ (2月18日 15時) (
レス) @page50 id: 535d582f25 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 今まで生きてきた中で1番好きです…!!更新を心待ちにしております…！ (2月18日 14時) (レス) id: c35a40f298 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 更新楽しみにしております〜！ (2月18日 14時) (レス) @page50 id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン粉(プロフ) - 夢主が優しすぎてもうこっちまで癒やされます。凄いです。この作品を読むと語彙力が飛ぶ仕組みなんですね。もう、マジで、本当に凄いです。癒やされるどころじゃない、涙出るかと思いました。優しすぎて。 (2月9日 9時) (レス) @page32 id: a8f548a317 (このIDを非表示/違反報告)
t94ywrc84k(プロフ) - もう最近この作品が生き甲斐すぎる。更新ありがとうございます (2月8日 23時) (レス) @page32 id: 24b98aaa97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年1月27日 0時
