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フィールド内を閃光のように駆け抜けるセリーさん。
撫子色の髪が鞭のようにしなり、時には円を描くよう揺れる。ひらりと尾を引いて揺れるリボンの紐を見る度に、どきりと心臓が不思議と鳴った。
『セリーがとんでもない活躍を見せております！まさに其の姿は鬼神そのもの！』
いつの間にかセリーさんが私が見るカメラ映像を固定したらしく、映像に映し出されるのはセリーさんの背中。だが、セリーさんの動きが速すぎて全く追えていない。
肉眼で見ようにも、建物のオブジェクトが多過ぎてすぐに見失ってしまう。
素早く弾倉を落とし新たな弾倉に取り替える。
リロード狙いで飛び出てきた敵にリロードが間に合わないとは判断したのか、射線を回避しながら弾倉を少し後ろに投げ、銃を勢い良く引く。
すると、ぴったりと弾倉は銃の中へ。リロードを終えた銃で飛び出した敵をヘッドショットで撃ち抜く。
御業に惚れ惚れとしたのは私だけではなく、運営席や観客席までもが盛り上がっている。既にHPがゼロとなり、脱落した第2回戦のメンバー達までもが口笛を吹いたり、拍手をしたりと絶賛していた。
その後も、フィールドを駆け巡るセリーさんを止められる人がいなくて、セリーさんは堂々と勝利を掴み取った。
ぱちぱちと感動の拍手を叩き、セリーさんが映るホログラム映像を見ていると、下から私を呼ぶ声がする。立ち上がって、下を見れば1つ結び姿のセリーさんが屹立としていた。
「ちゃんと見てた？」
「セリーさんすっごくかっこよかったです！」
その言葉に満足したのか、セリーさんは微笑みを浮かべるとそのまま踵を返して、集合場所へと向かっていく。
足取りは軽く弾んでおり、理由がよく分からないがご機嫌ななめな猫さんの様子は見えなくなった。
「セリー、すっごく頑張ってたね」
「えっ」
「頑張る理由があるといいよね」
頭を回らすと柔和な微笑みと物腰柔らかい態度で私に対し手を振る男性がいた。亜麻色の髪が階段を降りる度に揺れ、気品溢れる動作に思わず魅入ってしまう。
目尻が下がった灰色の瞳と視線が交わるなり、心臓が一瞬止まる。
どうしていいか分からず、その場に立ち尽くしていると目を細めた彼は私の方へ近付く。兎の被り物に興味があるのか、ググッと肉薄して、顔を近づけてきた。
被り物越しだが、キスが出来そうなぐらいの近さになった途端、身を引けば手摺が背にぶつかり逃げ場が無くなった。
「初めましてAさん。僕は個人医をしている叶です」
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humanfuuka1225(プロフ) - この作品を読むのが日々の日課になりつつあります…！更新楽しみにしてます！！ (2月18日 15時) (
レス) @page50 id: 535d582f25 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 今まで生きてきた中で1番好きです…!!更新を心待ちにしております…！ (2月18日 14時) (レス) id: c35a40f298 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 更新楽しみにしております〜！ (2月18日 14時) (レス) @page50 id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン粉(プロフ) - 夢主が優しすぎてもうこっちまで癒やされます。凄いです。この作品を読むと語彙力が飛ぶ仕組みなんですね。もう、マジで、本当に凄いです。癒やされるどころじゃない、涙出るかと思いました。優しすぎて。 (2月9日 9時) (レス) @page32 id: a8f548a317 (このIDを非表示/違反報告)
t94ywrc84k(プロフ) - もう最近この作品が生き甲斐すぎる。更新ありがとうございます (2月8日 23時) (レス) @page32 id: 24b98aaa97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年1月27日 0時
