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俯瞰するセリーさんの綺麗な顔はとんでもない圧を放っていた。ご機嫌ななめじゃない。斜めとびこえて垂直になっている。
自分でも何言っているか分からないが、圧がななめという表現を変えてしまっている。
「わっ！？ちょ、セリーさん…！？危ないっ…！」
セリーさんに手を引かれ、立ち上がるとそのまま米俵のように肩に担がれる。段差があるので動くと危ないと思い、大人しくしてしまっているが本当はめちゃくちゃに暴れたい気持ちでいっぱいだ。…あぁ、また体重がバレた。
セリーさんは私を担ぐなり、そのまま1番前の席まで降りていく。1番前の通路側席に私を座らせると、額の位置に当たる兎の被り物を小突いた。
「俺、見てて」
「はい」
「…はぁ、意味違う。次の試合で、俺だけ見てて」
「え、あっ…はい？…セリーさん、頑張ってくださいね」
「うん。他のやつ見るの、駄目。…これ、借りる」
しゅるり、と胸元のリボンが解かれ、紐へと変わる。
襟口は元々、ボタンを締めていたので服装が乱れる事は無いものの、首元を少しだけ締め付けていたきつさは無くなった。
セリーさんは滑らかな髪をひとつに纏め、リボンの紐で結う。緩まないように固く締め上げると数度首を振って、確認。
緩まない事を確認したセリーさんはスタンド席とフィールドを分ける手摺を軽々しく飛び越えるなり、華麗に着地。
撫子色の髪を靡かせながら、フィールドの中へと入っていく。
「一応言っとくけど、セリーは特殊な訓練を受けてるから良い子は真似しちゃダメね？」
「私がここから降りたら、脚の骨が折れます」
「良い子で偉い。それじゃ、俺も行くかな。次の第3試合に出るから、応援宜しくねー」
「はい。その…ありがとうございました、なるせさん」
手を振って、踵を返すなるせさんは扉からきちんと退出。
その背中を見送り、座り直せば頭上のスピーカーがキィンと音を鳴らした。
『さて、盛り上がってまいりました第2回戦！もう間もなく開始となります！』
シャボン玉のような膜が再び、フィールドとスタンド席を区分ける。
なるせさん曰く、このシャボン玉はフィールドで使用される銃弾やグレード等のあらゆる攻撃手段から観客を守るモノらしい。つまり、触ったらすぐ割れそうな膜はバリアの役目を持っているのだ。
「セリーさん…頑張れ。あっ」
セリーさんを追っているカメラに一瞬だけ、私が写った。
どうやら、私が見える何処かにいるらしい。
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humanfuuka1225(プロフ) - この作品を読むのが日々の日課になりつつあります…！更新楽しみにしてます！！ (2月18日 15時) (
レス) @page50 id: 535d582f25 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 今まで生きてきた中で1番好きです…!!更新を心待ちにしております…！ (2月18日 14時) (レス) id: c35a40f298 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 更新楽しみにしております〜！ (2月18日 14時) (レス) @page50 id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン粉(プロフ) - 夢主が優しすぎてもうこっちまで癒やされます。凄いです。この作品を読むと語彙力が飛ぶ仕組みなんですね。もう、マジで、本当に凄いです。癒やされるどころじゃない、涙出るかと思いました。優しすぎて。 (2月9日 9時) (レス) @page32 id: a8f548a317 (このIDを非表示/違反報告)
t94ywrc84k(プロフ) - もう最近この作品が生き甲斐すぎる。更新ありがとうございます (2月8日 23時) (レス) @page32 id: 24b98aaa97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年1月27日 0時
