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だるまさんの鋭い睨みに男は一瞬で気圧されて、口からは情けない声を出しながら半歩後ろへ下がる。すぐさま、だるまさんは私と男の間に滑り込んで、守るように前へ立ってくれた。
「女の子殴ろうとするなんて終わってるよ、お前」
「くそっ…！」
男は圧に負けたように尾を巻いて、その場から逃げ去る。
だるまさんはふぃーと気張った空気を解くように、息を吐き出すと身軽にくるりと回転して、私の方へ向き直った。
「アイツになんかされなかった？」
「大丈夫です。助けてくださってありがとうございます、だるまさん」
「全ッ然、いいよ！Aさんが怪我なくて良かった！…アイツ何？取り敢えず、やばそうだったから止めたけど…」
「ちょっとトラブルがありまして。でも、だるまさんのお陰で事なき終えました」
「……そっか！でも、またなんかあったら呼んでねーん？」
天性の明るさで塗りたくられていた恐怖が一瞬で塗り返される。
いきなり絡まれたので、情報処理が追い付かなかったがだるまさんが止めに入って追い返してくれたお陰で、一気に気が緩んでいく。
「それにしても、Aさんなんでここにおんの？迷子？」
「あっ…」
観客が多く集まるスタンド席はロビーから3回まで直通で上がれる階段からいける。けれど、私はわざわざ廊下を歩いて人気の無いスタンド席へと向かっていた。
ぼっちだから、とはちょっと言いづらくて苦笑いで誤魔化す。
そして、だるまさんはきょとんと首を傾げる。
「何となく、ここら辺がいいかなーって…」
「…そっか！穴場ってやつね」
「そんな感じです。だるまさんは大会に出場されるんですよね？頑張ってください。応援してます」
「おぉ…やっぱ、女の子に応援されちゃうと歯茎出るわ！んじゃ、応援よろしくねー！」
頬の筋肉を緩ませ、人懐っこい笑顔を浮かべるだるまさん。
ひらりと手を振り、そのままロビー方面へ向かっていく。
その背中を送り出した私は少し氷が解けてかさ上げされたメロンソーダを握り締め直し、3階の人気の無い静かなスタンド席を目指した。
解錠されており、身体で扉を押すと中へ入る事が出来た。
街中を模したようなフィールドを一望できるスタンド席。
フィールドを包み込むようなシャボン玉の膜には映像が投影されており、間もなく大会が始まりますという表記がされていた。
「どこにしよう…かな」
特に指定された席もないので、すぐ近くにあった最後列通路側の椅子に座った。
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humanfuuka1225(プロフ) - この作品を読むのが日々の日課になりつつあります…！更新楽しみにしてます！！ (2月18日 15時) (
レス) @page50 id: 535d582f25 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 今まで生きてきた中で1番好きです…!!更新を心待ちにしております…！ (2月18日 14時) (レス) id: c35a40f298 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 更新楽しみにしております〜！ (2月18日 14時) (レス) @page50 id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン粉(プロフ) - 夢主が優しすぎてもうこっちまで癒やされます。凄いです。この作品を読むと語彙力が飛ぶ仕組みなんですね。もう、マジで、本当に凄いです。癒やされるどころじゃない、涙出るかと思いました。優しすぎて。 (2月9日 9時) (レス) @page32 id: a8f548a317 (このIDを非表示/違反報告)
t94ywrc84k(プロフ) - もう最近この作品が生き甲斐すぎる。更新ありがとうございます (2月8日 23時) (レス) @page32 id: 24b98aaa97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年1月27日 0時
