Lv4 御注文は"萌え萌えきゅん"…ですか? ページ27
「絶対にだるまさんは
「わりぃな、へしこ。俺は正す方も好きなんだよ〜。むしろ、お前がこっち来いよ!」
「いやぁ、俺は警察無理っす…。えー、だるまさんとギャングやりたかったぁ」
「だるさんって警察辞めてギャングやらないの?」
「やらんよ。警察のだるさんとして頑張るから」
「もしやめて、行先なかったらネオポリスにおいでよ。うちはいつでも歓迎だから」
「渋ハルに勧誘されるのは嬉しいなぁ」
「棒読みやめて?」
「俺が警察で頑張る理由?」
「だって、だるまさんっていつもモチベ高くない?私とか、崖から落ちたりバイクに轢かれたりしてヘラるからさ…モチベたまに下がったりすんのよねえ」
「流石うるはさんやな。うーん、警察は楽しいからなぁ」
「すごっ。楽しいだけでモチベ下がったりしないんだ」
「まーね!やり合うのが生きがいだし!」
「じゃあだるまさんは楽しくなくなったら警察辞めちゃうの?」
「いやぁないない!こんな楽しい仕事、辞めないって!」
ふと、ヘラったうるはさんに言われた事を深く考えた。
楽しくなくなったら、頑張る理由が無くなったら。
俺の背中に刻まれた『POLICE』の文字は無くなるのだろうか。
「頑張る理由ねぇ」
そんなの、考えたことも無かったや。
潮風に揺れる髪を手で抑えつつ、夜の帳が降ろされた空をぼんやりと見つめる。淡く光る白い月を肴に缶ビールを1口飲み、さざ波へ耳を傾けた。
心地の良い波音に少しだけ心が癒されていく。
ずっとここに居たいなんて子供じみた願望を胸に抱きつつも、惜しみながらも離す。缶ビールをコンビニ袋に入れて、立ち上がると帰路を辿る。
「…馬鹿だな、私」
何時までも、こうしてたって前へ進めないって分かってるのに。
子供じゃないんだから、大人なんだから、どうしようも無い状況に何時までも駄々捏ねてる場合じゃないのに。
1人がこんなにも寂しいものだなんて、知らなかった。
こういう時に素を出せるような友達がいたら、全てを受け止めてくれる恋人がいたらまた違うのだろうか。
「ただいま」
返答のない真っ暗な部屋。
既に見慣れてしまった光景に対して、前の世界での自室の内装がどんなものだったのか、記憶が薄れていくのを感じる。
いつか、両親や友達の顔が声が、名前を忘れてしまう時が来るのではないか。
薄れていく記憶に縋るように今日も丸まって、眠りに落ちる。
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humanfuuka1225(プロフ) - この作品を読むのが日々の日課になりつつあります…!更新楽しみにしてます!! (2月18日 15時) (レス) @page50 id: 535d582f25 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 今まで生きてきた中で1番好きです…!!更新を心待ちにしております…! (2月18日 14時) (レス) id: c35a40f298 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 更新楽しみにしております〜! (2月18日 14時) (レス) @page50 id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン粉(プロフ) - 夢主が優しすぎてもうこっちまで癒やされます。凄いです。この作品を読むと語彙力が飛ぶ仕組みなんですね。もう、マジで、本当に凄いです。癒やされるどころじゃない、涙出るかと思いました。優しすぎて。 (2月9日 9時) (レス) @page32 id: a8f548a317 (このIDを非表示/違反報告)
t94ywrc84k(プロフ) - もう最近この作品が生き甲斐すぎる。更新ありがとうございます (2月8日 23時) (レス) @page32 id: 24b98aaa97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こりん | 作成日時:2024年1月27日 0時