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「あの人とはどういう関係なの？」
「は？」
「Aさんだっけ」
「なんで名前…」
「調べた」
旧アジト。馴染みの証として気に入っているけばけばしい色の床板を軋ませながら、近付いてきたのはうるかだった。
ソファで寝転がる葛葉の反応を確かめるように目を細め、注視するうるか。そんな視線をうざったそうに切る為に、読んでいた雑誌で顔を覆う。
「別に何もないし」
「ショッピングモールで買い出しに行った時、俺に本を取らせた時から変だとは思ってたけど。やっぱり知り合いだったんだ」
「知り合いでもないし」
うるかはダーツの矢を三本取り、定位置から1本投擲。
矢は中心へ突き刺さり、また1本投げる。
「今回の件でもあの子の事ばっか見てたでしょ」
「完全に手口にハマってたから危なくならないように見てたんだよ」
「あんな無茶な止め方、いつもはしない癖に」
「あーでもしねぇとおむつの弱い連中は話聞かねぇから」
「…葛葉さん、意外と可愛い？」
「可愛いって言うなっ」
中心全てに3本の矢が突き刺さる。回収する為にうるかは歩を進め、再びソファで雑誌を読む葛葉を横目に見た。
あっけらかんとしており、表情はいつもと変わらない。
うるかの視線に気付いたのか、いちごオレを飲みながら葛葉は眉を吊り上げて軽く威嚇。猫に似た威嚇にくすくすと笑ってあしらううるかはそんな彼を面白げに見つめていた。
「サービスしてるんだって」
「店員だからするだろ」
「葛葉さんもして貰いに行ったら？お金はかかるけど」
「行かないよ」
「裏サービスぐらい払えるお金あるじゃん」
一瞬、うるかの言葉の意味が分からなかったらしく葛葉の脳内にNow Loading…という文字が現れる。
返しの上手くそこら辺の会話は全て避ける、関与しないを貫く彼の目に動揺が見て取れる。
この情報はどうやら、葛葉にとって初知りだったらしい。
「あ、裏って言ってもメニューに載ってないだけで変な意味じゃないよ。ありさん曰く、健全な"でぇと"して貰えるんだって。俺今度してもらおうかなぁ。お金あるし」
「えっ、そういうの好きだったっけ？」
「いや、別に？興味本位に言ってみただけ。あ、釈迦さんに呼ばれてるから行ってくるね」
ふわりと緩いカールが掛かった赤髪を揺らし、踵を返すうるか。
「んだよアイツ…どう、すっかな」
ストレージ欄の1枠埋める"おむらいす"無料券。
使い道が無い無料券をどうするか悩む葛葉の顔面にパサッと読んでいた雑誌が降り掛かった。
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humanfuuka1225(プロフ) - この作品を読むのが日々の日課になりつつあります…！更新楽しみにしてます！！ (2月18日 15時) (
レス) @page50 id: 535d582f25 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 今まで生きてきた中で1番好きです…!!更新を心待ちにしております…！ (2月18日 14時) (レス) id: c35a40f298 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 更新楽しみにしております〜！ (2月18日 14時) (レス) @page50 id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン粉(プロフ) - 夢主が優しすぎてもうこっちまで癒やされます。凄いです。この作品を読むと語彙力が飛ぶ仕組みなんですね。もう、マジで、本当に凄いです。癒やされるどころじゃない、涙出るかと思いました。優しすぎて。 (2月9日 9時) (レス) @page32 id: a8f548a317 (このIDを非表示/違反報告)
t94ywrc84k(プロフ) - もう最近この作品が生き甲斐すぎる。更新ありがとうございます (2月8日 23時) (レス) @page32 id: 24b98aaa97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年1月27日 0時
