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「ええっ…！？じゃ、私…売り飛ばされる1歩手前だったという事ですか！？」
「そ。めっちゃ危なかったんだよ」
事件の詳細をなるせさんから聞いた時は流石に驚いた。
私が訪れた店は所謂、裏社会とずぶずぶな関係だったらしい。
1人で来店した土地勘のない女性に狙いをつけて、アルコール度数の高いものの、酔い自体は遅延性のあるお酒を呑ませ潰れさせる。その後、介抱するという建前で裏に連れ込み、暴行。逆らえないようにして、女性に金を稼がせるという非道な手口で生計を立てていたらしい。その被害者に私もなる1歩手前だった。
「…」
「もう大丈夫」
すぐそこまで迫っていた恐怖にぶるりと手が震えるもセリーさんが気付いて、震える手を優しく包む。芽生えた恐怖はあっという間に薄まり、緊張が解けた。
まさか、こんな事になるなんて…この街は確かに治安が悪いと何度も実感していたがそれでも舐めていた。
前の世界で事件はいつもテレビやネットの向こう側だったから、すぐ側にある危険に対して無頓智だったのかもしれない。
あの時、ぺらぺらと条件に当て嵌る様な事を話したから…と猛省する。
「本当にご迷惑かけてしまってすみませんでした…。助けて貰ってありがとうございます」
「全然気にしないでよ！俺らはこういう仕事だし、あと助けたのは____」
だるまさんの言葉を遮ったのは、肩に装着された無線機の緊張感溢れる声だった。
私はセリーさんの肩に装着された無線機から『パシフィック銀行強盗発生！』と聞こえた途端、署内の足音が多く聞こえ始めて、慌ただしくなっていく。
「じゃ、なるせ。こっちは宜しくな」
「ん。そっちは任せたぞ〜」
「俺が残る」
「だーめっ。ほら、セリー！行くぞ！」
「おふたりとも、お仕事頑張ってください」
「女の子に応援されちゃ、もう全員逮捕しちゃうぐらいにだるさん頑張っちゃう！」
「ほら、セリー。ここで行かないとかっこよくないぞ」
「…ん。じゃ、頑張ってくる」
ちゅ、と傍で聴こえたリップ音。頬に当たった柔らかな感触に刺激されたのか、二日酔いで重かった瞼が一気にかっぴらく。かぁと顔に熱が篭っていく自覚しかない今の私は分かりやすく動揺していた。
頬に今キスされたという事実を噛み砕いた瞬間、一気に思考が混沌に飲み込まれた。
「やるな、アイツ。大丈夫そ？」
「大丈夫…では、ないです」
海外では、頬のキスの意味が例え挨拶とかの軽い気持ちだとしても。
私にとっては心臓に悪すぎる爆弾過ぎる。
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humanfuuka1225(プロフ) - この作品を読むのが日々の日課になりつつあります…！更新楽しみにしてます！！ (2月18日 15時) (
レス) @page50 id: 535d582f25 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 今まで生きてきた中で1番好きです…!!更新を心待ちにしております…！ (2月18日 14時) (レス) id: c35a40f298 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 更新楽しみにしております〜！ (2月18日 14時) (レス) @page50 id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン粉(プロフ) - 夢主が優しすぎてもうこっちまで癒やされます。凄いです。この作品を読むと語彙力が飛ぶ仕組みなんですね。もう、マジで、本当に凄いです。癒やされるどころじゃない、涙出るかと思いました。優しすぎて。 (2月9日 9時) (レス) @page32 id: a8f548a317 (このIDを非表示/違反報告)
t94ywrc84k(プロフ) - もう最近この作品が生き甲斐すぎる。更新ありがとうございます (2月8日 23時) (レス) @page32 id: 24b98aaa97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年1月27日 0時
