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ずんと脳味噌が重石にすり替わった感覚に苛まれながらも、重たい身体をゆっくりと起こす。頭痛にこめかみを抑えていると、ふと手にぬくもりを感じた。
腕から手へ、目を転じれば、 ベット傍らの置かれた椅子に座り、布団に顔を伏せた状態でセリーさんが眠りに付いていた。
なぜ、セリーさんが…？
ぐらぐらと平衡感覚が可笑しい中、周囲を見る。
部屋と廊下を分ける扉の上部が硝子になっており、目を凝らして見れば、木の看板に『医務室』と掘られていた。
足音がふたつ、扉に近付く。開けば、ペットボトルに入った水と薬を御盆に乗せたなるせさんとだるまさんが入室。
起きた私を見るなり、2人は何時になく安堵の表情に変わる。何かやらかしてしまっただろうかと内心ドキドキしつつ、身構えているとピクリとセリーさんの肩が動いた。
はらりと桃の糸のような髪が肩から落ち、宙に舞う。
綺麗だなって呑気な事を考えていると。
「この、馬鹿ッ…！」
「…え？」
「俺が、どれだけ、心配したか…！」
煙草と硝煙の匂い。言葉では到底言い表せない感情で顔を歪めたセリーさんに抱き締められる。受け止めきれられず、そのままベッドに押し倒される形になってしまった。
耳許で囁かれる声はひび割れた硝子のように弱々しく響き、普段の彼からは全く想像出来ない。
「へ…？」
どういう事か分からず、二日酔いで痛む頭でどうにか考えるも、答えは出ない。
昨日の夜に私はバーで飲んで…滅茶苦茶に酔って、がっつり寝てしまって…それから、どうなったんだっけ。
ぼやけた視界の中で、変な仮面を付けた人に介抱されていたような気もするような…しないような。夢の中で両親とお人形みたいな可愛い子にコスプレをした友人に会ったのは覚えているが。
「セリー、まずは先に薬飲ませなきゃ。二日酔いも酷そうだし」
「俺が飲ます」
「じ、自分で飲めますので…」
「駄目」
即答からの目にも止まらぬ速さで御盆から水とピンクの錠剤を取ったセリーさん。
美女…では無く顔がとにかく良い男性に薬をあーんしてもらうなんて一生無さそうで貴重な体験だろうが、流石に飲みにくいし恥ずかしい。
どうにかして自分で飲みたくて、長丁場になりそうな睨めっこを開催していると痺れを切らしたセリーさんが、
「このままだと公務執行妨害」
なんて、権威を奮ってくる。流石に狡い。
「…良い子」
う"ッ…二日酔いにも顔面の良さは効くのか。
邪念を捨て、観念したように口を開いた。
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humanfuuka1225(プロフ) - この作品を読むのが日々の日課になりつつあります…！更新楽しみにしてます！！ (2月18日 15時) (
レス) @page50 id: 535d582f25 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 今まで生きてきた中で1番好きです…!!更新を心待ちにしております…！ (2月18日 14時) (レス) id: c35a40f298 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 更新楽しみにしております〜！ (2月18日 14時) (レス) @page50 id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン粉(プロフ) - 夢主が優しすぎてもうこっちまで癒やされます。凄いです。この作品を読むと語彙力が飛ぶ仕組みなんですね。もう、マジで、本当に凄いです。癒やされるどころじゃない、涙出るかと思いました。優しすぎて。 (2月9日 9時) (レス) @page32 id: a8f548a317 (このIDを非表示/違反報告)
t94ywrc84k(プロフ) - もう最近この作品が生き甲斐すぎる。更新ありがとうございます (2月8日 23時) (レス) @page32 id: 24b98aaa97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年1月27日 0時
