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モーニングタイムの終了が迫る午前9時の店内はドリップしたての香ばしい珈琲の匂いで満ちていた。
カフェMASKの店員は私のみ。他の皆のタイムカードはまだ退勤を表す赤になっている。
「ん。美味しい」
「ありがとうございます」
カウンター席でスクランブルエッグと生ハムとサラダが挟まれたサンドウィッチAセットドリンク付きを頼み、マスクを下げて、食するバニラさん。
カウンターに置いて、しまい忘れていたラテアート入門編を見つけると1度おしぼりで手を拭いてからその本を手に取った。
「へー、ラテアート挑戦するんだ。前に言ってたもんね、新しい事したい候補欄でラテアート」
「この度、重い腰を上げてみようかと思いまして」
「ふふっ。なんか、言い方が謝罪会見みたい。でも、急にどうして？」
「前の…初めてのパラシュートが楽しくって。その時、初めての体験っていいなって思ったりしまして。これを機にラテアートを学ぼうかなと…すみません、大した理由無くって。頑張って絞り出したんですがまともな理由が…」
「んははっ。物ごと始めるのに理由なんて要らないよね。そっかぁ…Aさんはすごいね」
ラテアート入門編をカウンターに置き、湯気がゆらゆら揺れる珈琲を口に含むバニラさん。Aセットに付いた味わいあっさり生クリームをふんわりとした生地包んだ一切れのロールケーキを差し出すと彼の顔は少し綻んだ。
「そんな…趣味の範疇ですので。それに全然上手く出来ないんですよね。やっぱ向いてないのかなぁ、なんて…」
「それでも凄いよ。新しい事に挑戦するって」
「バニラさんにそう言って貰えると凄くモチベーションが上がります」
「ふふ、嬉しいな。Aさんのラテアート、見てみたいし飲んでみたいな…あ、前にローレンさんがAさんのドリンク欲しいって言ってたよね。この、ラテアートをドリンクにすればいいんじゃない？」
「そ、それ、凄くいいアイディアです…！貰っていいですか？」
「どうぞどうぞ」
もし、私専用のドリンクがラテアートになるなら取り組むモチベーションが更に上がりそうだ。同時に商品化レベルまで腕前を上げなきゃいけないが…それもまた楽しみだろう。
まずは、店長であるきなこさんにお話をしなければ。
いや、こういう新しい事を提案する時は会社みたいに企画やプレゼンを用意した方が良いのだろうか。
ただ単にお話をするだけで…要領が分からないから今度、ありさかさんに相談してみようかな。
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humanfuuka1225(プロフ) - この作品を読むのが日々の日課になりつつあります…！更新楽しみにしてます！！ (2月18日 15時) (
レス) @page50 id: 535d582f25 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 今まで生きてきた中で1番好きです…!!更新を心待ちにしております…！ (2月18日 14時) (レス) id: c35a40f298 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 更新楽しみにしております〜！ (2月18日 14時) (レス) @page50 id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン粉(プロフ) - 夢主が優しすぎてもうこっちまで癒やされます。凄いです。この作品を読むと語彙力が飛ぶ仕組みなんですね。もう、マジで、本当に凄いです。癒やされるどころじゃない、涙出るかと思いました。優しすぎて。 (2月9日 9時) (レス) @page32 id: a8f548a317 (このIDを非表示/違反報告)
t94ywrc84k(プロフ) - もう最近この作品が生き甲斐すぎる。更新ありがとうございます (2月8日 23時) (レス) @page32 id: 24b98aaa97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年1月27日 0時
