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月の船が濃淡な白夜を揺蕩う。
決して美味いとは言えないが、人間故の優しさが詰まったおむらいすで腹が膨れた。路地裏から表への境界線を越えた俺は淀んだ空気を吸い込みつつ、どうやって帰るかと思考を巡らせていると。
「ローレン、アジトまで送るよ」
サイレン鳴り響くロスサントスの街に爽やかな声が通る。
顔を上げれば、顔面偏差値の高さを主張してくる渋谷ハルが路肩にバイク停めた状態で立っており、俺を見るなりフラッと手を振った。
「エ、なんでいんの」
「前に会った時のローレンがちょっと気になってね。あの時…エクスさんじゃなくて、らっだぁさんと喋ってた僕の方を見てたような気がしたからさ」
「ソウダッケ」
「あの質問、本当は僕に聞きたかったんじゃないの？って事でお話がしたかったんだけど…どうやら、片付いちゃったみたいだね」
「盗み聞きするなっての」
「だって、あんな露骨な顔されたらね。僕でも気付いちゃうし。エクスさんも心配してたよ…ま、事情的にはゆぐどらしるのメンバーには言えんわな。ローレンは見た目によらず繊細だねぇ」
「うるせぇよッ」
場を和ますように茶々を入れつつも、渋谷ハルは遥か遠くに残してきた思い出を眼差しに宿した。
新鮮なオレンジのように明るい髪色が風に吹かれ、ターコイズの双眸が揺れる。
「僕もよく思い出すよ。あの一瞬を」
事情はどうあれ渋谷ハルも俺と同じ、帰る場所を失い、再び帰る場所を見つけた立場の人間。
だからこそ、察する部分は早いのだろうか。
「でも、ほんと…あの子が言った通り。無くすにはあまりにも惜しすぎる一瞬だよね」
「…ウン」
「こんな事、ローレンに言う日が来るとは思わなかったけどさ…僕らは一緒の道を進んでいるわけじゃない。それぞれの道を、互いの仲間と家族とで一緒に道を歩んでる。でもね、横見たらちゃんと"僕ら"はいるから。道が違えていても、一緒じゃなくても、僕らは肩を並べている」
ただの直感。何かしらの確信がある訳では無い。
けれど、脱退直後に帰る場所が無くなり、傭兵となったという同じ境遇になったからだろうか。
渋谷ハルも同じ事を思い、苦悩して…乗り越えたのでは無いだろうかと、察する事ができた。
だからこそ渋谷ハルはここにいる、と。
「…なぁ、渋ハル。ネオポリス、どう？」
「コント祭りで腹と頬が毎日筋肉痛と割とお金ピンチ…ゆぐどらしるは？」
「俺含め多動な奴らが多過ぎるせいで結構、貧乏かな」
「「…犯罪行くか！」」
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こりん(プロフ) - ペンさん» 初めまして、作品をお読み頂き感謝申し上げます。ガチ恋ヲタクの話が刺さって頂けて嬉しいです。応援に応えられるように更新頑張って参ります！ (1月26日 0時) (
レス) @page50 id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - さくれさん» 前作からお読み頂き、感謝申し上げます。そのように仰って頂けて大変光栄でございます。何度もお読みいただけているなんてとても嬉しいです。応援に応えられるよう、更新頑張って参ります！ (1月26日 0時) (レス) @page50 id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
ペン(プロフ) - 初めまして、厄介ガチ恋ヲタク最高過ぎました。めっちゃ好きですありがとうございます！！これからも応援してます！ (1月23日 19時) (レス) id: 5e2227c856 (このIDを非表示/違反報告)
さくれ - ギャングのボスに〜から続けて読ませて頂いていますが、本当に最高のお話すぎて大好きです。何度も読み返して、楽しませて頂いています。応援しています！ (1月15日 14時) (レス) @page36 id: a6020e7d9c (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - ぽちさん» コメントして頂きありがとうございます。そのようなお言葉を頂けて恐悦至極でございます。作者としてそのように言って頂けること、とても嬉しく思います。ありがとうございます。 (1月12日 23時) (レス) @page6 id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年1月8日 0時
