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自作ジュースを飲み干し、"おむらいす"を1粒残さず平らげたセリーさん。
自身の口許を紙ナプキンで拭おう…としたのだが、ふと私の方を見るなり、手を止めて、持っていた紙ナプキンを差し出した。
「拭いて？」
「えッ」
「ダメ？」
「い、いえっ」
この人は多分、自分の可愛さと美しさを分かってる。
あざといと分かってても、首を傾げ上目遣いで「ダメ？」なんて言われたら、女の子でも男の子でも口許を拭いたくなってしまう。
出来るだけ、セリーさんの唇に触れないようにしながらも口許を紙ナプキンで拭う。
緊張で手が震えている事に気付いたセリーさんは悪戯っ子のような笑みを浮かべていた。
私のことをからかってる。
美女…ではなく、美男子に弄ばれてるってこんな感じなのか。…不思議と嫌な気はしないが恥ずかしい。
兎の被り物で顔が真っ赤という事は隠せているが、隠せてなかったら更にからかわれていた気がする。
「おむらいす食べたし次は"よちよち"ね」
「…ん？」
「ちょっと寝る。1時間後起こして…おやすみ」
ソファに横たわるセリーさん。
彼の小さな頭は私の太腿上に乗せられ、より1層騒がしくなった店内なんて気にせず、静かに寝息を立て始めた。
仰向けに眠るセリーさんの綺麗な寝顔を心の中で拝みつつもどうすれば良いのか分からず、その場で硬直してしまう。
だって、あのセリーさんが膝上で寝てる。
前に1度見た光景けれど、あればほぼ事故みたいな形で故意に膝枕をした訳では無い。
「……？」
前まではレジ前で商品の引渡し程度の会話数だったが、距離がいきなり近くなり過ぎて困惑しか出来ない。
否、ここはカフェMASKだから店員とお客としては有り得る距離感なのかもしれないが。
「ど、どうしましょ…」
「Aさん、セクハラだって嫌なら俺がセリー叩き起すで。許可も取らんで女の子の膝上で堂々寝やがってこの野郎ッ…俺だって女の子によちよちされてぇよ！」
「あ、えっ…と…このままで、大丈夫です。ありがとうございます、だるまさん。お疲れのようですし1時間だけなら…いつも、この街を守ってくださっていますし…私の膝で良ければ」
そう、あの日から明確に変わったことがひとつある。
"よちよち"改めてせりーさんが何故か、私の膝上で仮眠を取るようになったのだ。
つまり、よちよち＝仮眠とる＝膝貸して である。
…なんで、私？
なんて疑問は、この世界に来た理由ぐらい謎であった。
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こりん(プロフ) - ペンさん» 初めまして、作品をお読み頂き感謝申し上げます。ガチ恋ヲタクの話が刺さって頂けて嬉しいです。応援に応えられるように更新頑張って参ります！ (1月26日 0時) (
レス) @page50 id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - さくれさん» 前作からお読み頂き、感謝申し上げます。そのように仰って頂けて大変光栄でございます。何度もお読みいただけているなんてとても嬉しいです。応援に応えられるよう、更新頑張って参ります！ (1月26日 0時) (レス) @page50 id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
ペン(プロフ) - 初めまして、厄介ガチ恋ヲタク最高過ぎました。めっちゃ好きですありがとうございます！！これからも応援してます！ (1月23日 19時) (レス) id: 5e2227c856 (このIDを非表示/違反報告)
さくれ - ギャングのボスに〜から続けて読ませて頂いていますが、本当に最高のお話すぎて大好きです。何度も読み返して、楽しませて頂いています。応援しています！ (1月15日 14時) (レス) @page36 id: a6020e7d9c (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - ぽちさん» コメントして頂きありがとうございます。そのようなお言葉を頂けて恐悦至極でございます。作者としてそのように言って頂けること、とても嬉しく思います。ありがとうございます。 (1月12日 23時) (レス) @page6 id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年1月8日 0時
