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兎の被り物をしたので白煙を吸い込む事は無かった。
だが、白煙の正体が何なのか分からない。
セリーさんが急に寝息を立て始めた事に軽くパニックを起こしているとらだおさんは自身の腰ポーチからコンパクトサイズの小袋を取り出す。小袋のチャックを引いて取り出した毛布をセリーさんに掛ける。
小さく寝息を立てる彼を見て、らだおさんは少し安心したように口許を緩めた。
｢あ、の…？｣
｢俺がお金払うんで、少しの間いいですかね？もう少し時間経ったら、爆睡タイム入って動いたとしてもすぐに起きないと思うんで。そしたら、中にいる受付の人呼んでセリーを中まで運ばせてください｣
｢は、はぁ…｣
｢安心して。セリーのこと、攫ったりしないっすよ。今日のところはふられちゃったんで。じゃ、サービス宜しくお願いします〜｣
ふらっと手を振って、身を翻すらだおさん。
項に刻まれた三角を重ねたようなタトゥーに何処か見覚えがあった。あのタトゥーって確か、何処かのギャングの…。
｢一体、何だったんだ…あっ、まずい｣
らだおさんの姿が見えなくなったと同時に全身の力が抜け落ちる。肩を少し落としてしまった為か、ずるりとセリーさんの顔が滑ってしまい、太腿へと顔が落ちていった。
どきりと心臓が浮いたものの、セリーさんが起きる気配は全く無く、ホッと胸を撫で下ろす。
｢…｣
初めて、男性に膝枕してる…な。
今は存分に寝て貰いたいので嫌な気持ちとは全く浮かばない。だが、初めて男性に膝枕をしているという事実を再確認した所、少しだけ照れが生じた。
恥じらいを覚え始め、紛らわす為に近くにある植え込みの木を眺めていると…ピクッとセリーさんの身体が震える。
遠くからでもはっきり見える長い睫毛が小刻みに震え、数度瞬かせる。薄い唇からは聞き慣れない言語が洩れた。
ゆっくりとだが、起きようとする身体。
だが、襲いかかってくる強烈な眠気からは逃れられず完全なる起床とはならない。
｢せりーさん、無理しないでください。今は少しでも身体を休めないと｣
｢
｢…？…いつも、お仕事お疲れ様です。だから、今は休んでください…ね？｣
起き上がろうとするセリーさんの頭を撫でるようにまた、太腿へ優しく押し戻す。
それでも起き上がろうとするが彼の桃色の髪を梳くように表面を撫でれば、心地良さそうに表情を緩ませ、瞼はまた落ちていき…小さな寝息を立て始めた。
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こりん(プロフ) - ペンさん» 初めまして、作品をお読み頂き感謝申し上げます。ガチ恋ヲタクの話が刺さって頂けて嬉しいです。応援に応えられるように更新頑張って参ります！ (1月26日 0時) (
レス) @page50 id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - さくれさん» 前作からお読み頂き、感謝申し上げます。そのように仰って頂けて大変光栄でございます。何度もお読みいただけているなんてとても嬉しいです。応援に応えられるよう、更新頑張って参ります！ (1月26日 0時) (レス) @page50 id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
ペン(プロフ) - 初めまして、厄介ガチ恋ヲタク最高過ぎました。めっちゃ好きですありがとうございます！！これからも応援してます！ (1月23日 19時) (レス) id: 5e2227c856 (このIDを非表示/違反報告)
さくれ - ギャングのボスに〜から続けて読ませて頂いていますが、本当に最高のお話すぎて大好きです。何度も読み返して、楽しませて頂いています。応援しています！ (1月15日 14時) (レス) @page36 id: a6020e7d9c (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - ぽちさん» コメントして頂きありがとうございます。そのようなお言葉を頂けて恐悦至極でございます。作者としてそのように言って頂けること、とても嬉しく思います。ありがとうございます。 (1月12日 23時) (レス) @page6 id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2024年1月8日 0時
