踏み出す一歩 ページ9
川西に入部届けを渡されてから一週間経った
入部届けを渡すというのが最後の手だったのか
喋りにこなくなった。
(私は…ずっと一人でいたいって…それを望んでいたはずなのに
なんで…)
胸が痛かった
宮下さんと川西のことを考えると
それから、穴が空いた気がした
そこで気づいた
(私…寂しいんだ
また友達、作りたかったんだ)
『あ…』
気がついたら体育館についていた
自然と足が向いたって考えると、なぜだか笑えてしまう
今日はそんなに居なくて、もしかしてこの前は練習試合だったのかな？って思った
バンっという音が響いて私の横をボールが飛んでいく
怖、早、当たったら死ぬ
なんて思いながらボールの元へ行くと体育館の中から身長の高くて頑固そうな男の人が出てきた
「すまない、当たってないか」
頷く
ボールを渡す時に少しだけ思い出した
初めて白鳥沢のバレーを見た時
スマホを忘れた日のことだ
この腕が、多分スパイクをしていた
『…あの、スパイク見せてくれませんか？』
牛「ボールを下から出してくれればいい、やってみろ」
校舎裏に移動してボールをポイッと渡される
確実に断られると思ったけどこんなに、あっさり「いいぞ」と言われるとは思ってなかった
焦りながらも身長に合うように高めに玉を出すとそれに合わせるように男の人がジャンプする
高くて凄くびっくりした
『…大丈夫でしたか？』
「ああ、問題ない」
それから目を合わせて準備ができたと分かったのでボールをあげる
あぁ、この人だ
その人は飛んでいて、上を見ていて、背中が大きくて
羽が生えているみたいで
胸が熱くなった
かっこいい、近くで見たい
私も手伝いたい
『…ありがとうございました』
「もういいのか？」
『…はい』
「なら、思ってること言えるといいな」
私は全速力で家に向かって走った
私の想いはあの男の人にはバレていたらしい
まだ、分かんないけど、どうやって人と関わればいいのか分かんないけど
でも、確かに
あのボールを打つのを見た瞬間、私の胸が弾んだ
今までにないくらいドキドキした
なら
私がすることは
『た、ただいま！』
母「あら、お帰り…A、どうしたの？」
『お母さんに、言いたいことがあるの…！』
途切れる言葉を必死に繋ぎながら私は目から涙を零した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 694人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ポン(プロフ) - すごく良かったです！！牛島さんの素直なところも！続き楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2020年4月27日 18時) (
レス) id: 182d4f7f2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - このお話好きです！続きが気になります！ (2020年2月3日 16時) (レス) id: a2d1753a5f (このIDを非表示/違反報告)
中村千尋(プロフ) - 更新頑張って下さい!!とても続きが気になります (2019年10月8日 22時) (レス) id: a991a170a0 (このIDを非表示/違反報告)
ohana - すごい面白いです！続きが気になります！！更新頑張ってください！！ (2019年4月14日 20時) (レス) id: 8e8ba22e4c (このIDを非表示/違反報告)
あろま - るっとねさん» は？わざわざコメントしなくて良くない？ (2019年4月1日 22時) (レス) id: 734385b17d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もっちっち x他1人 | 作成日時：2019年3月9日 23時
