白鳥沢にマネージャーできたんだってよ

お前のことは ページ11

宮「だから、やだって言ってんでしょうが」


『…やだ』



手を振り払った宮下さんの手を掴む

うわ、私超重い




宮「っていうか、あんなに遠慮して優しいキャラ作ったのにあんた、反応無いし

ストレス溜まるんだよねー」




『…ごめんなさい』




宮「それもムカつく、じゃあそもそもなんであんな反応になったの」





質問じゃない
ただ、責め立てるだけの言葉





『…言いたくない』


宮「ほら、ただ今頃寂しくなって話しかけに来ただけでしょ

みんなの前でこんな手使って」


『…違う』





あぁ、怖い
ストレートロングの黒髪、つり目でピアスを開けた宮下さんは見た目通り怖い



今日はもう帰ろっかな
保健室行く？



あ、入部届け出してない




『…なりたい自分…』



宮「は？」




『…っ…前の学校で…初めてできた親友に友達じゃないって言われて…いじめられた

友達を作るのが怖くて、宮下さんともクラスの人からも距離を置いた』





ザワザワとしていたクラスの中がシーンとした

宮下さんも私の方を見て目を見開いて驚いている






宮「ちょっとこっち来て」


『え？…え？』




手を引っ張られて人気のない空き教室に連れていかれる





『…宮下さん』


宮「…別に、あんたのこと好きじゃない
というか、嫌い」


『…』




分かり切っていた答えに下を向く





宮「やっぱり今更過去がどうこうって言われて私も理解してあげられないし、そういう奴じゃない」




『…』




宮「…でも…話くらいはしてやってもいい」



『……へ？』



宮「だーかーら！話くらいはしてやってもいいって言ってるの！」





予想外の反応に嬉しくなる





『…でも』



宮「今回は私も悪かった
ごめん」



『…そんな！』



宮「…でも、一つだけ聞いていい？
あんたは、いじめが原因で引っ越してきたの？」



『…転勤族で…今回も転勤のタイミングで
今までも5、6回転勤してて…』




宮「…ふーん」




『あ、あの…本当にいいの？』



宮「友達じゃないから、勘違いしないでよ」



『は、はい！』






ポケーっとしている私を置いて宮下さんは教室を出ていった


なんだろう、友達じゃないのに

話せただけで嬉しい



…いつか、いつか

宮下さんが友達って言ってくれるように

私が友達って言えるようになりたいな

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