バイオレットフィズ【ロロノア・ゾロ】 (ページ9)

今日:26 hit、昨日:95 hit、合計:962,870 hit

08 ページ9

ナ「んん～……」

ロ「……。」

「…わっ、びっくりした…」

宴が終わって女子部屋で寝ていると、ナミさんの方から枕が飛んでくる。

寝ぼけて飛ばしたのか…びっくりした。

私はナミさんに枕をそっと返して、起き上がった。

…なんか、やっぱり寝られない。

ゆらゆら波に揺られて寝るなんて、初めてだもん。

波のプールにずっと入ってるみたいな感じ。

…落ち着かない。

ちょっと外の空気、吸おうかな。

私は、起こさないようにそーっと部屋を出て、船尾へ向かう。

「うわぁ…！綺麗！」

潮風が気持ちいい。

夜の海ってちょっとロマンチックかも。

私は船尾から身を乗り出して海を見ていた。

暗いけど、月に照らされて波が動いてるのがわかる。

それに、大きな満月が海に映って、月が２つあるみたい。

海に見とれていると、後ろから低い声が聞こえる。

ゾ「……気に入ったか」

「ひゃぁっ！！…って、ゾロさん…！起きてたんですね…」

ゾ「んな驚くこたねぇだろ…幽霊に会ったみたいな反応すんな」

だってゾロさん声低いんだもん…。

しかもこんな時間まで起きてると思わなかったし…。

びっくりして変な声出ちゃった。

ゾ「上で修行してたらお前の姿見えたから降りてきたんだよ」

「えっ、そうなんですか？ありがとうございます…」

ゾ「別に。礼言いたくて、お前に。」

ゾロさんはその場に座る。

てゆうか、お礼…？

なんの？私なにかゾロさんにしたっけ？

ゾ「酒、美味かった。ごちそうさま。」

ゾロさんはまた、私に優しい顔を向ける。

やっぱ、その顔ダメだ。

…ドキドキする。

「い、いや、こちらこそ受け止めてくれてありがとうございます！」

ゾ「礼言われるような事じゃねぇよ、んなもん。」

「じゃあ、私のお酒も言われるような事じゃないですよ…」

命助けて貰ったことが大したことないなら、お酒はもっとじゃん…

ゾ「お前酒ならなんでも作れんのか」

「あ、まぁ…大体は。好きなので…」

女の子でお酒好きなんて、ちょっと変わってるのはわかってる。

何だかいたたまれなくて、えへへ、と笑うと…ゾロさんは私をちらっと見て、

そうか、と言った。

「…なにか、飲みます？」

お酒好きなのかな？

宴でもお酒ばっかり飲んでたもんね。

ゾ「…辛口のやつ、なんかあるか。」

「…作ってきますね？」

ゾ「待ってる」

私は、少しだけ軽い足取りで、倉庫へ向かった。