バイオレットフィズ【ロロノア・ゾロ】 (ページ24)

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「え…？」

それは、私には信じ難い言葉。

こっちの世界、…って…？

「で、でも私…向こうの世界で20年も…」

私はそもそも、あっちの世界しか知らない。

だって、20年間…

私、あの世界でしか生きてきてない。

ロ「…貴方は生まれてすぐに、向こうの世界に飛んでしまったの。」

言ってることが、全く理解できない。

そんなことあるの？

じゃあ私は戻ってきた感じなの？

じゃあ向こうの世界は？

ロ「…20年前、東の海でこんな事件が発生したの。」

ロビンさんに見せてもらったのは、さっきナミさんが読んでいた古い新聞。

そこに大きく、

“忽然と姿を消した赤子。事件性無し。神隠しか？”

と書いてあった。

その横には、まだ産まれたての小さな赤ちゃんの写真。

「…これ、私だ」

自分の写真くらい、見てわかる。

それに…写真の下には

“姿を消したAちゃん”

と書かれていた。

じゃあ私は…元々こっちの世界にいて、戻ってきたの？

「…待って、理解ができない…」

じゃあ私が今まで関わってきた人達は？

私にあった本当の未来は？

向こうの世界で頑張ってきた人生は何？

…私は、誰？

ナ「落ち着いてAちゃん…！大丈夫、帰る方法も見つかったの！」

「帰る、方法？」

でも、私はこっちの世界の人なんでしょ？

やっぱり…帰ったところで誰も心配なんかしてないよ。

かと言って、こっちの世界に残ったところで私の家はない。

ロ「…満月の前日にね、運命の者同士が同じお酒をぴったり同じ時間に口にすると、女の子は違う世界に飛ばされちゃうの。」

「運命の人…？」

ロ「えぇ。そして、元の世界に戻ってきた時…運命の人と運命の出逢いをする、っていう伝説があるのよ。」

…それって、もしかして…

ナ「…恐らく、ゾロとAちゃんは運命の人なのよ。」