麦わら帽子に夢を見る【ONE PIECE】 (ページ6)

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episode 6 ページ6

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＿＿＿ 2年前

グランドライン前半の、ある島。

その島は、グランドラインでも有数の大きな市場のある島だ。

私はその島の、護衛兵をしていた。

この島は市場街と言うだけあって、よく海賊が停泊する。

その為、島の中で喧嘩は日常茶飯事。

力を持たぬ市民を守るため、私たち海兵はいる。

海「少将！明日、本部から中将が見回りに来るそうです！」

基地の廊下を歩いていた時。

後ろから、部下の一等兵が私に声を掛けた。

「えー！？明日！？何よもう…毎回急なんだから…。どうせまたこの基地に文句つけに来るんだわ」

海「え？あぁ…ココは海軍基地にしてはとても質素ですよね…街と基地を隔てる塀もないし。何故こんな質素なんです？」

そう、ウチの島の基地は、まるで家だ。

一応、海軍のマーク等は付けているけど…基地の規模は、少し大きめの家と言ったところ。

「君、ここに配属なったばかりだっけ？」

海「はい、先週来たばかりです」

「そっか…じゃあ教えてあげる」

私は、新入りの一等兵に近寄って、話を始めた。

「…私がこの島に来た時はね、この島は海軍と海賊がいつも追いかけっこしてたの。そのせいで島は荒れ放題。海軍と海賊がやり合う度に、市民の住む場所はどんどん崩れていく。」

私がこの島に来た時の衝撃は…未だに忘れない。

市民を守るはずの海軍が、海賊を捕まえることばかりにとらわれて、市民を危険に晒していた。

市民は、海軍と海賊がやり合う度、流れ弾で怪我するんじゃないかとビクビクしていて。

「でもそんな中で、この基地が建つ前の…でっかい海軍基地だけは綺麗なままなの。無傷よ。」

市民は、海軍と海賊の攻防戦に巻き込まれて家を失っているのに…。

でかでかと建つ海軍基地で、海軍は悠々自適にご飯を食べ、眠る。

市民は、いつ海軍と海賊がやり合うんだとビクビクしながら…

安心して眠ることすら出来ないのに。

「…さてここで問題です。私たちは何故この島にいるの？」

ハリボテの正義なんていらない。

私は、地位も名誉もいらない。

海「か、海賊を捕まえるためじゃないんですか…」

「うーん、それも大事。でも1番は違う。」

私が守りたいものは一つだけ。

「市民を、守ること。1人でも多くの笑顔を守ること。覚えておいてね」

海「…はい！！ご指導ありがとうございます！！」

無闇矢鱈に戦うことは、正義じゃない。

それが私の信念だ。